ビッグサイズ過ぎて…。巨人は23日のDeNA戦(東京ドーム)に3―6で敗れ、連勝が5で止まった。勝率5割に逆戻りした中で、奮闘を続けている一人が3年目の秋広優人内野手(20)だ。24試合に出場して打率3割4分2厘、3本塁打、14打点の好成績。いよいよホープが頭角を現した舞台裏では、前例のない長身選手の育成に四苦八苦した指導者の努力もあった。

 最後に一矢報いた。先発の赤星が3回5失点でKOされ、打線は8回までゼロ行進。9回に岡本和に8号ソロが飛び出すと、秋広も右翼席へ3号2ランを放り込んで本拠地を沸かせた。試合後の原監督も「両方とも見事な1本でしたね。甲乙つけがたい」と思わずうなる豪快弾だった。

 これまでの秋広とはまるで別人だ。昨季は打撃不振で一軍出場ゼロ。しかし、今年は4月中旬から一軍に昇格し、同29日の広島戦(東京ドーム)で待望のプロ初アーチを放った。これまでに1試合3安打以上を2度記録し、この日の4打数2安打で7度目のマルチ安打だ。最近は6番打者として9試合連続スタメン出場中で、打線に欠かせない存在になりつつある。

 もちろん本人の努力はあるが、成長をサポートしたコーチ陣も〝未知との遭遇〟に知恵を絞ってきた。なにせ創設89年目の球団でも2メートル以上の日本選手は馬場正平(故ジャイアント馬場)以来。それも1950年代の話で馬場は投手だった。育てる側にもノウハウはなく、雲をつかむような作業となった。

秋広(左)に声をかける阿部ヘッド
秋広(左)に声をかける阿部ヘッド

 中でも教育熱心だったのが阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ(44)で「デカすぎるんだよ」と苦笑いしながら、最適解を求めて極端な打ち方に取り組ませたこともあった。

「タッパがあるから(球を)上から叩こうとすると(バットが)鋭角に入り過ぎちゃう。だから、アッパー気味にしたほうが合わせていける。誰もこんな教え方をしないんだけど、左肩でボールに合わせていけ、と。そうしたらちょうど合う。普通は(肩を)下げたらダメだけど、アイツの場合は下げないと」

 スイングする際は肩を水平に保つことが一般的だが、阿部ヘッドは秋広に合わせてあえて球界の常識をブチ壊した。それでも合わないと判断すれば、また新たな取り組みを課し、二人三脚で歩み続けてきた。

 4戦ぶりの一発に、秋広は「こういう打席を多くつくれるように頑張ります」と話した。55番を背負う〝シン・ゴジラ〟の進撃はまだまだ止まらない。