西武が遊撃手王国となっている。

 チームではWBC侍ジャパンのV奪回に貢献した主将・源田壮亮内野手(30)が、名誉の負傷(右手小指骨折)で開幕から30試合の不在が続いている。しかし、その大きな穴をドラフト6位・児玉亮涼内野手(24)と育成出身2年目・滝沢夏央内野手(19)がカバー。首位に3ゲーム差の5割に食らいついている。

 侍ジャパンの正遊撃手・源田という圧倒的な存在がありながら、滝沢を2021年ドラフトの育成2位、児玉を22年ドラフトの6位で指名した西武スカウト、編成陣の狙いは「源田のバックアップ」以外の何ものでもない。

 球団関係者は「もし、源田に目に見える衰えが見えてきて〝その後釜〟をということであれば、3位までの上位(指名)で行くことがセオリー。今回のWBCに限らず、最近は毎年のように故障離脱が増えてきた。源田のバックアップとなると、ある程度の守備力がないと戦力的に大きな差ができてしまう」と近年の〝守れる遊撃手〟重複獲得の裏側を語る。

 即戦力で契約金も安い6位指名の児玉が現在のチーム状況にハマっているのは、完全に「本人が持っている運と努力」(前出関係者)だというが、こんな状況のために代替え戦力を用意できていたのはやはりスカウト、編成陣の隠れたファインプレーというしかない。

 また、プロとアマチュアの大きな差のひとつである「守備力」に関しては、そこがプロレベルに到達していないために持ち味の打力が生かせない野手がいるのも現実。逆にいえば、初めから高い守備力があれば、やるべき課題は絞られてくるということだ。

 現に源田も児玉も滝澤も「守備は間違いなかったが、打撃は未知数」との評価を受けながら、フタを開けてみれば決して守備だけの遊撃手ではないことがそれを実証している。厳しいプロの世界で〝確かな守備〟は身を助けるのだ。