【取材の裏側 現場ノート】全日本プロレスの諏訪間幸平専務(46)が、このところ存在感を示している。対抗戦ではノアきっての論客、拳王と言葉の〝キャッチボール〟を展開。相手に寄り添う対応で、あの拳王から「めちゃくちゃ人望あるじゃん。神奈川県で保護司の活動をしてるみたいだな。素晴らしい」と賛辞を贈られたこともある。

 実際に2017年4月から保護司を務めており、犯罪や非行をした人を社会復帰させ、地域の犯罪や非行の予防を図る活動を続けている。きっかけは後援組織「諏訪魔會(かい)」の会長で、地元の藤沢市保護司会会長を務める水嶋正夫氏から保護司の活動を紹介されたことだ。

 諏訪間専務は「保護司って何だろう?って、そこからのスタートだった。もともとプロレスで地域を盛り上げようという活動をしていて、子供たちにもレスリングを教えたりしていた中で、保護司に挑戦してみたいと思った」と振り返る。これまで6~7人を担当。時には約束した面会をすっぽかされたこともある。それでも根気強く対象者に寄り添うと、自然と足を運んでくれるようになった。

 水嶋氏は「諏訪間さんは有名になってる方ですから、普通は1対1で話をできないですよね。だから、進んで(面会に)来る子が多い。そういう人がなって良かった。私が言うより、諏訪間さんが言った方が本人の心に残るんじゃないかなと思いますし」と語る。

 対象者がプロレス観戦に訪れたこともある。別人格とされる〝極悪暴走男〟諏訪魔の姿に驚かれるが、諏訪間専務は「ああいうふうになっちゃダメだ」と諭しているそうだ。

「未成年の子が成人になって就職して、立派になって会いに来てくれると、やってよかったなと思いますね。僕自身も幸せを感じるというか、うれしくなる」。保護司を通じて身に着けた「寄り添う心」で、激動の王道マットを支える。