〝経験値〟で勝ち取った頂点だ。フィギュアスケートの世界選手権最終日(25日、さいたまスーパーアリーナ)、男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)が196・51点をマークし、合計301・14点で日本男子初の連覇を達成。男子のエースが大舞台で確かな存在感を示した。
全てを出し切った宇野は、大の字に倒れ込んだ。「本当に今、これ以上できない演技だったと思う。どのジャンプも危ないのが多かった。それでもしっかり成績を残せたこともうれしい」。決して万全な状態ではなかったものの、世界を知るスケーターの意地を見せつけた。
まさかのトラブルも関係なかった。ジャンプの不調に苦しむ中、SP前日に実施された22日の公式練習で右足首を負傷。「やばいな」と一抹の不安が宇野の頭をよぎった。しかし、出水慎一トレーナーをはじめ、周囲のサポートのおかげで「想像よりはるかに少ない支障だった」。最悪の事態を脱し、無事試合に臨むことができた。
完治したと言えばウソになる。だが、試合は目の前に迫っていた。「今の自分で何ができるのか」。過去に足に痛みを抱えた状態で練習に励んだことは何度もある。「絶対にそんな練習は身のためにならないと思っていた」というが、実は大きなプラスとなっていた。
「どういうジャンプになるのかというのが、何となく予想ができていた」。体の状態なりのジャンプが、頭にインプットされていたわけだ。
今回の優勝でさらなる経験を積んだ宇野。来季以降も〝世界王者〟の座を揺るぎないものにできるか、期待は高まる一方だ。












