阪神が順調なキャンプを送っている。ここまでの対外試合3試合は2勝1分け。投手陣の仕上がりも上々で、ドラフト1位ルーキー・森下翔太外野手(22=中大)の評判も高い。好材料ずくめの春に岡田彰布監督(65)も「ここまでは順調や」と頬を緩めている。そんな中、本紙評論家の伊勢孝夫氏は、今季の阪神打線の鍵を握るのは、WBC日本代表強化合宿に参加中の中野拓夢内野手(26)だと指摘した。
【新IDアナライザー・伊勢孝夫】まずは投手陣の質量の豊富さに驚く。成長著しい西純、才木らはメジャー移籍した藤浪の穴を十二分に埋めてくれるだろう。リリーフ陣も含め盤石という印象だけに、やはり問題は打線だろう。
近本は今年もリードオフマンとしての役割をまっとうしてくれるだろう。新外国人・ノイジーは広角に打ち分ける能力があるため、3割以上の打率を期待できる3番打者タイプだ。4番・大山と5番・佐藤輝は今も試行錯誤の最中ではあろうが、岡田新監督の下で主軸として着実な成長を遂げてくれるはず。6番に入るのは森下、井上、高山のいずれかになるだろう。今後も続く春の実戦でのアピール合戦に期待したい。
問題は打線をつなぐための2番打者だろう。現状の阪神野手陣のメンバーを考えればここにハメ込むべきバッターは中野しかいない。だが彼は、どちらかというと好球必打の積極性を売りにする打者。今後は「つなぎ役」としての意識を高く持つ必要がある。近本が「四球、盗塁」などで無死二塁のシチュエーションをつくってくれたなら、最低でも二ゴロなどの進塁打で「一死三塁」とし3番打者へつなげる意識を高くもってもらいたい。ミート力のあるノイジーなら犠飛などで確実に近本を本塁へかえしてくれるはずだ。
阪神は昨季、慢性的な得点力不足に悩み、シーズン71敗のうち、25もの1点差負けを喫した。岡田監督はこれらの弱点を克服するため、ベンチワークを駆使して1点をもぎ取りにいく姿勢を鮮明にしている。そのためのキーマンは間違いなく中野だ。日本代表でも彼は〝黒子役〟を担う場面が数多くあるだろう。大舞台でより多くのものを吸収し、阪神に帰ってきてほしい。
(本紙評論家)












