新日本プロレスのIWGPジュニアヘビー級王者・高橋ヒロム(33)が、「トーキョートルネード」の復活を熱望した。ノア武藤敬司引退興行(21日、東京ドーム)で実現するノアのGHCジュニアヘビー級王者・AMAKUSAとの王者対決は、なぜかかつてヒロムがみちのくプロレス・剣舞と組んでいたタッグチームの名前が冠されている。ヒロムはこの試合を制した上で、現在行方不明の元相棒を探しに行くプランを明かした。

 IWGPとGHCによる史上初のジュニア王者対決は、別の意味でも注目を集めている。試合のキャッチコピー「トーキョートルネード」だ。これはヒロムが2013年の英国武者修行時代に剣舞と名乗ったタッグ名で、AMAKUSAとはまったくと言ってもいいほど関係がない。しかし、ヒロムは記者会見でAMAKUSAを前に剣舞との思い出を語り尽くした上で、報道陣からの質問には「その質問は…愚問じゃないですかね」とラチがあかない問答を展開した。

 剣舞とは13年10月の英4FW・オックスフォード大会で人生初のタイトルマッチを戦い、惨敗を喫したヒロムは再戦を約束した。あくまでAMAKUSAは赤の他人ではあるものの「自分的に今回の試合は『新日本 vs ノア』という感じはまったくなくて。もしそう打つのであれば、お互い王者なんだからベルトをかけるべき。それがかかっていないということは、試合のタイトル通り『トーキョートルネード対決なんだな』と自分は理解しましたね。約束の男と戦うつもりでいます」と一方的に主張した。

会見では剣舞のマスクを持ち出したヒロム
会見では剣舞のマスクを持ち出したヒロム

 さらにAMAKUSA撃破後の青写真として、ヒロムは同タッグ復活へ動き出す意向を示す。「今回トーキョートルネードというものを久しぶりに思い出しましたしね。これだけ話題になったのであれば、俺はみちのくのほうに剣舞さんを探す旅に出たいなと。情報を求めてますよ。『剣舞選手を見た!』という方は、ぜひ俺に連絡してもらいたいです」。

 武者修行先をメキシコに移す際、剣舞を含む関係者全員の連絡先を消してしまっており、手がかりはない。剣舞も19年12月から消息不明となっているだけに、捜索は困難を極めそうだ…。

 ちなみにトーキョートルネードは活動していた約3か月間、英国マットで無敗を誇っていた。「期間は短いですけど、1日3試合とか休みなしでやってましたからね? でも、無敗ですから。もし今年もジュニアタッグリーグがあるとしたら、BUSHIさんのパートナーはいまティタンなので。俺が出るには剣舞さんを連れてくるしかないのかなって」。

 今どこにいるのか見当もつかない剣舞とのタッグ復活を見据えつつ、無関係のはずのAMAKUSAとの約束の一戦へ向かう。