九州プロレスでひときわ元気なファイトを見せる桜島なおき。試合中の大きなアピールも持ち味の一つだが、TAJIRIは「彼が試合中に声を出さなくなった時、新しい桜島選手が誕生することもあるのかなと思うんですよね」と語る。一見すると意外な言葉だが、その背景にあるのは、リング上でファンをどう引き込むかというプロレス観だ。

「本人は新人の頃の気持ちでフレッシュなままやってるんだと思うんですよね。だから、自然と声が出ているのでしょうけど」。そうした桜島のスタイルからさらに「彼がそれとは真逆になった時に、新しく進化した魅力が発揮されるのかもしれないなって。そんなことを考えることもあります」と続けた。今の元気いっぱいにアピールするスタイルも桜島の魅力。その魅力はそのままに、また違った一面が見られたらどうなるのだろうか。そんなことも考えているようだ。

 その言葉の根底にあるのは、ファンとの向き合い方なのだろう。「よく試合中に、『いきますよ!』とか叫ぶ選手っているじゃないですか。それによって歓声を引き出す。それが自然発生するような、そんな桜島選手も絵が浮かぶんですよね。『動』ではなく『静』の桜島選手と言うのか。存在感自体が自然とファンを引き込み、声援を発生させる。そんな桜島選手になった時、どんな景色が広がるのだろうか。TAJIRIは、そんな可能性をイメージし、語っていた。

 だからこそ、「もうちょっとして年を重ねたら、自然とそうなっていくんじゃないかなという気もするんですよね」と言葉が続く。今の元気いっぱいのファイトに、言葉ではなく存在感だけでファンを引き込む表現が加わったら、どんな桜島なおきになるのだろうか。そんな変化も、いつか自然に生まれるのかもしれない。TAJIRIの言葉からは、そんな一つの可能性が伝わってきた。