完全復活へ力強い一歩を踏み出した。昨季開幕直後に左ヒザの大ケガに見舞われたソフトバンク・栗原陵矢外野手(26)が、宮崎春季キャンプ(生目の杜運動公園)初日の1日にフルメニューを消化。主力中心のA組で確かな存在感を放った。
昨年、開幕5試合目となった3月30日のロッテ戦で左膝前十字じん帯断裂などの重傷を負った。約7か月に及ぶ長いリハビリを経て、昨秋はキャンプに志願参加。順調な回復でこの日を迎えた。「本当に不安なく、一日できた。なんかこう、違った気持ちでスタートを切れたんじゃないかなって思います」。かみ締める言葉に充実感が漂った。今オフは痛めた患部の強化も兼ねて単身渡米。現役メジャーリーガーも練習する施設で自主トレを行い、五感をフル稼働させて刺激を受けてきた。
今季は本格的に三塁にコンバート。巨人に移籍した松田に代わる「内野の顔」になるべく、新たな一歩を踏み出した。この日は、左胸に銀色で刺繍された「C」マーク入りのユニホームを着用。今季から正式に副キャプテンを拝命した26歳は「形に見えるものがある方が責任感を持ちながらやれる」と意図を説明した。金色刺繍のキャプテンマークを入れる柳田主将を全面バックアップする気概であふれている。
チームを背負っていくため、完全復活へ並々ならぬ思いも明かした。「あそこまでできるってことも証明されている」。自らに言い聞かせるように、先人が示した復活への道しるべを胸に刻んでいる。意識しているのは、小久保裕紀二軍監督が現役時代に残した軌跡。ダイエー時代の2003年に右膝前十字じん帯断裂などの重傷を負いながら、翌年に移籍1年目となった巨人で打率3割1分4厘、41本塁打という見事な成績を叩き出した。不撓不屈の精神で選手生命の危機を乗り越えた先輩がいるだけに、栗原は「(自分も続けるか)不安です」とも語る。
それでも「そこは意識していかないといけない」と、先人に負けない華麗なる復活劇を描く。球春到来と同時に発せられた力強い所信表明には、確かな自信がうかがえた。












