【今村猛 鉄仮面の内側(26)】今季から新井新監督を迎えることになった新生カープ。まだまだ今の時期では分からないことも多いのですが、ポイントとなりそうな選手についてお話ししたいと思います。
僕は投手出身なので投手のことを聞かれることが多いのですが、顔ぶれ的にここ数年はそんなにガラッと変わってませんよね。ということで野手についてお話しさせていただきます。
もちろん、チーム全体でレベルアップして全員で勝つというのが前提としてはあります。ただ、あえてポイントとなる選手を挙げろと言われれば、野間峻祥選手と上本崇司選手の名前を挙げたいと思います。
この2人はともにプロ入りから10年ほど経過していますが、まだこれからの選手だと思っています。野間はもっと早く中心選手になっていてもおかしくない逸材ですよね。足の速さなんて異常ですから。
上本さんはチーム内外からいい選手だという評判が多いんです。僕はアマ時代から対戦した経験があって、その時から上手な選手だなと思っていました。
打撃が少し弱いかなというイメージを持たれていたとは思いますが、2022年は94試合で80安打、打率3割7厘と結果を出しました。二塁は菊池涼介さんが健在ですが、三塁、遊撃、外野も守れますしいろんな面で器用な選手ですので、活躍すれば攻撃面でのバリエーションが増えると思います。
近い将来の形として遊撃・小園、二塁・上本がしっかり固定されるようになれば、3連覇時代の田中広輔さんと菊池さんのような二遊間になれるのかもしれません。二遊間がしっかりしたチームは強いと思います。実際に投げやすかったですからね。
投手というのは、打者を打ち取ったときに、想像の範囲内でアウトにできる打球をアウトにしてくれると助かるんです。別にスーパープレーで助けてくれとは思っていません。
ただ、菊池さんの場合はスーパープレーなんですけど、それを当たり前にやってしまうことが多々あったので僕からしても謎でしたね。型にハマらない選手ですから。ちょっと次元が違うので高校生には教えてはいけない選手かもしれないですね。
あと、カープあるあるなんですが交流戦に弱いみたいな定説があるんですよね。過去17年で6度の最下位で、昨年は5勝13敗で最下位ですよ。セ・リーグ自体は55勝53敗で2年連続3度目の勝ち越しだったので、リーグ内では独り負けみたいになっちゃいましたよね。
原因というのは一歩引いてユニホームを脱いで客観的に野球を見たらいろいろと見えてくるんです。力勝負的にレベルが高いのはパ・リーグだと僕は思っていて、そこをかわす力があればセ・リーグも戦えると思うんです。
160キロを投げる投手がいたり、50個以上の盗塁をする選手やフルスイングのスラッガーがいたり個の力にたけているのがパ・リーグ。それを正面から受けて立たないでどうかわしていくかで、CS出場なり成績が大きく左右されてくると思っています。