「2022年度プロレス大賞」で技能賞に輝いたのはGLEATのエル・リンダマン(27)だ。昨年はG―REX王者として新興団体をけん引。新日本プロレス「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」にも参戦し、団体の名前を世に広めた。マイクパフォーマンスも注目を集めるGLEATの〝広報部長〟は今年、どこに向かうのか――。

 ――改めて受賞を聞いた時は

 リンダマン 技能賞を取れるなんて、考えてもなかったです。僕は小さいころからアントニオ猪木さんを見てプロレスラーになったので、プロレス大賞栄誉賞を猪木さんが受賞されて、名前を並べることができてとても光栄です。猪木さんは生涯をかけて、壮大な1試合をしていた。そんなところが魅力です。

 ――猪木イズムを継承してくのか

 リンダマン 僕はマイクパフォーマンスも含めて、ストロングスタイルだと思ってやっている。昔よりもSNSとかでプライベートを発信する機会も増えてますから、いろんなとこでお客さんに想像させたりとか。そういう意味で自分も引退しようがしなかろうが、死ぬまでプロレスラーでいようと思います。

 ――昨年を振り返って

 リンダマン とにかく必死にGLEATを広めるとか、大会を成功させるっていうのを積み重ねてきた年でした。その中で今回の技能賞を取らせていただいたのも、他団体の協力があってのこと。軽く発信してくれた(エル)デスペラード選手のおかげで、最初小さい石ころだったところから転がっていくうちに、いろんなものを巻き込んで岩みたいに少しずつ大きくなっていった。

 ――初出場のBOSJは大活躍だった

 リンダマン 日本の他団体から出ていたのが僕しかいなかったので、GLEATはもちろん、他の日本人選手の気持ちも背負ってるぐらいの責任感はありました。他の先輩選手と控室で一緒になった時にボソっと『全部自分とこに客を持って帰るぐらいの気持ちでやんなきゃダメだよ』って言われて。今でもそういう気持ちで戦っています。

 ――年始にG―REX王座を失ったが今後は

 リンダマン GLEATの中に去年の僕みたいに大きい賞とか、確実に評価を上げる選手っていうのを2、3人つくっていきたい。僕はもう何もしなくても目立っちゃうので。僕と絡むことによって何かを学ぶなり、反面教師でもいいから、何かしらの形で成長していく選手が増えたらGLEATはもっと幅が広くなるし、魅力的な団体になるんじゃないかなと。

 ――教育係に…

 リンダマン 今まではタイトルマッチとリンダマンが要で、それが僕がチャンピオンだったから1試合にまとまっちゃってた。だけど、今はタイトルマッチとリンダマンで2試合に分けられる。お客さんの満足度が上がる要因になると思う。プラスもう一人、リンダマンみたいなやつが出てきたら、それが3つになる。そうなるとGLEATがもっと面白くなる。

 ――個人よりも団体か

 リンダマン 今年はより団体のため会社のためにサラリーマンになる。来年のプロレス大賞もGLEATに1議席がちゃんと残せるようにしたい。(サラリーマンらしく)スーツも新調したし。

 ――今回の表彰のために新調したと聞いたが

 リンダマン (リデットエンターテインメント社の鈴木裕之)社長から「表彰式中止の手紙が送られてきて、スーツの制作の件はちょっと要相談という形で…」みたいに言われたから「いや、もともとわかってたので、ボケのつもりでやってるんで大丈夫です」って。サラリーマンシップにのっとって無駄な経費は使わない(笑い)。愛社精神あふれてるので。

東京スポーツ新聞社・酒井修社長(右)から、表彰状を受け取ったリンダマン
東京スポーツ新聞社・酒井修社長(右)から、表彰状を受け取ったリンダマン

【一番面白い団体はGLEAT】リンダマンには東京・江東区の東京スポーツ新聞社で酒井修代表取締役社長からトロフィーと表彰状が授与され、「卓越した技術とマイクパフォーマンスを武器に、年間を通じてファンを魅了した」と称賛された。新調したスーツに身を包んだリンダマンは「いろんな団体を見に行って、評価すればいいよ。だけどな、最後に一番面白い団体は俺たちGLEAT。2023年もみんなで一緒にGLEATしようぜ」と白い歯を光らせた。

 ☆エル・リンダマン 本名林悠河。1995年2月12日生まれ。東京・中野区出身。2014年4月4日のドラゴンゲート神戸大会でT―Hawk相手にデビュー。18年5月にCIMAらとユニット「ストロングハーツ」を結成し、中国のプロレス団体「OWE」所属に。21年3月にGLEATに入団。22年2月に団体初のタイトル、G―REXの初代王座を決めるトーナメントを制し、7度の防衛に成功。必殺技は原爆固め。161センチ、80キロ。