49回目を迎えた「2022年度プロレス大賞」の表彰がスタート! 昨年同様、新型コロナウイルス感染拡大防止のため授賞式開催を見送り、各受賞者には個別にトロフィーと表彰状が授与される。併せて受賞者のインタビュー連載を開始。第1回は最優秀選手賞(MVP)とベストバウトを受賞した新日本プロレスのIWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカ(35)だ。4日東京ドーム大会でベルト奪回に成功したレインメーカーは、超ビッグイベントの実現を思い描いている――。

 ――昨年を振り返って

 オカダ 当たり前ですけど、濃い1年でしたね。新日本プロレスの50周年というのもあって、ただでさえ注目される年だったと思いますし、そんな中でしっかり活躍ができたのかなと。

 ――私生活でも8月に第1子が誕生

 オカダ 子供が生まれたから、MVPを取れたわけではないですからね。それがパワーにはなってますけど。ケガなく(家に)帰れるようにっていう意識は、今までよりは強くなりましたね。

 ――1・4ドームではアントニオ猪木さんを「1、2、3、ダーッ!」で追悼した

 オカダ やるつもりはなかったんですけど、やっぱりやってお送りしなきゃなと。しっかり猪木さんに届いたと思いますし、僕も猪木さんがいつも見ていた景色を見ることができたのかなと。(活気が)戻ってきたのもそうだし、コロナとの戦いも、もうすぐなのかなと感じさせてもらえるいい大会でしたね。

 ――2023年の野望は

 オカダ 50周年だから盛り上げたわけじゃないですし、51周年は去年以上に盛り上げていきたいと思いますね。結果を残していけば猪木さんに並ぶ6度目(のMVP)、いい試合をしていけば天龍(源一郎)さんを超えて(10度目のベストバウト)ということもあると思うので。僕が新日本プロレスに入った時にはその2人と、こんなに意味のある関係性を持てると思わなかったですけど、近づいていけてる感じはあるので。並んだり追い越したりというような形を目標に頑張りたいです。

本紙の酒井代表取締役社長(右)からトロフィーを授与されたオカダ
本紙の酒井代表取締役社長(右)からトロフィーを授与されたオカダ

 ――それ以外に実現したいことは

 オカダ(コロナの)前のように戻るというのが一番実現したいことというか。今まで我慢していた分が返ってくるような年にしたいですね。夢のような戦いがどんどんできるようにしたいです。

 ――一昨年はコロナ終息後に、世界中の団体が参加する興行の実現を熱望していた

 オカダ 前はオールスターでしたけど、去年(サッカーの)W杯があって、今年は(野球の)WBCとラグビーのW杯があって。プロレスも国別対抗で、日本代表として戦うのとか面白そうですよね。サッカーのW杯は面白かったですし、WBCも(刺激に)なると思うんです。

 ――プロレスW杯ができれば盛り上がると

 オカダ そういうのは海外でもやってはいると思うんですけど、大きな大会って多分やってないんですよね。世界規模の大きなものをやれたら楽しいかなと思いますね。もしかしたらオカダ、中邑(真輔)組でタッグで出るかもしれないですし、国のために戦えと言われたらオカダ、内藤(哲也)組があるかもしれない。それがうまくいくかは分からないですけど。いろいろな団体込みでやったら、面白いんじゃないかなと。

 ――WWE所属の中邑のノア参戦が実現するなど、プロレス界の世界情勢にも変化が生まれている

 オカダ そうですね。必要であれば(AEW社長の)トニー・カーンにも(WWE幹部の)トリプルHにも会いに行きますよ。今回の東京ドームにしても(ケニー・オメガら)AEWの選手がいて、WWEの選手(カール・アンダーソン)がいて、WWEをやめた(メルセデス・)モネもいて。今の新日本もただでさえワールドワイドじゃないですか。いろいろな国の選手がいるので、面白いものをやっていきたいですね。なんか、今話してたら、めっちゃやりたくなりました(笑い)。(インタビュー・岡本佑介)

【新たなマット会の象徴】オカダには東京・中野区の新日本プロレス事務所で、東京スポーツ新聞社の酒井修代表取締役社長からトロフィーと表彰状が授与された。5度のMVP受賞、9度のベストバウト獲得という、35歳ながらプロレス大賞の歴史に名を残す記録を打ち立て続けるオカダに対し、酒井社長は「新たなマット会の象徴」「令和の名勝負製造機」と称賛。さらなる活躍に期待を寄せた。

 ☆オカダ・カズチカ 1987年11月8日生まれ。愛知・安城市出身。中学卒業後に闘龍門に入門し、2004年8月にメキシコでデビュー。07年に新日本プロレスに移籍し、12年からトップレスラーに。IWGPヘビー級王座を5度獲得し、最多連続防衛、最多通算防衛記録を保持する。5度のプロレス大賞MVPは歴代2位の記録。9度のベストバウトは天龍源一郎に並ぶ歴代最多記録。必殺技はレインメーカー。191センチ、107キロ。