今春開催のWBCに臨む侍ジャパンに選出されているソフトバンク・甲斐拓也捕手(30)が、22日に大分市内で自主トレを公開。世界一、日本一に挑む新シーズンを前に、熱い思いを激白した。
侍のキーマンである扇の要は昨秋、日本代表・栗山英樹監督(61)から示された「絶対的信頼」に発奮。投手陣の格となるダルビッシュ、大谷といったメジャー組の球を受ける準備も着々と進めており、世界を知る男に抜かりはない。
球界を広く見渡しても、これほど追い込む自主トレは珍しい。早朝6時からの散歩は日課。巨人・山瀬ら他球団の有望株を預かる身で、野球に取り組む姿勢、意識の高さを見せた。9時から昼過ぎまで、昼食を挟んで一切ボールを握らず体幹、下半身をみっちり強化。地味に映る練習が、シーズンをフルに戦い抜く下地づくりだ。
さらに日が沈む夕方5時まで心技体を鍛え、ミーティングを兼ねた夕食時まで野球漬けの毎日を送っている。侍に始まり、常勝再建を期す鷹の長く険しい戦いを見越した鍛錬に、妥協はない。
日本野球の威信をかけた戦いが待ち受ける。侍の攻守のカギを握る男は、こう打ち明ける。
「栗山監督に『命をかけて戦っていく中で、拓也の力をぜひ貸してほしい』と言っていただいた」
昨年、シーズン全日程の終了直後にかけられた言葉だった。
「遠慮なく考えや思っていること、気づいたことを言ってきてくれと。チームの雰囲気がどうとか、試合の流れがどうとか、どんどん言ってきてほしいと。『チームが勝つために、俺は拓也の意見が必要だと思っている』とまで言っていただいた。その思いを聞いて、世界一の監督になってもらいたいと素直に思った」
栗山監督は、これまでの代表活動における甲斐の実績と、国際試合で重要となる洞察力を高く評価。いち早くチーム構想の中心に据え、絶大な信頼を伝えることで、抜かりない準備を促した。今回のWBCには、他国と同様に日本もメジャー組を招集。ダルビッシュ、大谷らが早期に参戦意思を示したことは、甲斐にとっても大きかったはずだ。
この日の自主トレでは、新たな取り組みも公開。メジャーなどで注目されているフレーミング技術の向上を目指した練習だった。際どいコースの球をストライクにする確率を上げる捕球技術で「メジャーでは当たり前になっていて、投手を助けられる」と意図を語る。
念頭にはもちろんダルビッシュ、大谷の快投を引き出す狙いがある。「WBCのこともあるんで。いい投球をしてもらえるように。自分の技術を見返した時に、身につけないといけないと思った」。NPB組にも動く球を武器とする投手が増えている。国際試合での審判の傾向もある。侍の常連らしく頼もしかった。
「栗山さんと勝つために。このWBC、僕は頑張ります」。3大会ぶりの世界一へ、侍の命運を握る覚悟はできている。











