〝燃える闘魂〟アントニオ猪木さん(享年79)は、「いつ何時でも」スーパースターだった。昨年10月1日に死去した猪木さんの関西後援会まとめ役で、猪木信者の中でも特に親密な関係にあった高島英三郎氏(59)が〝ファン目線〟で燃える闘魂を振り返る。第2回は1995年4月に北朝鮮・平壌で行われた「平和の祭典」について、現地に同行した高島氏が猪木さんの様子を証言する。

 1994年に初めて訪朝した猪木さんは、95年4月28、29日と平壌のメーデースタジアムで興行を開催し、初日に15万人、2日目には19万人の大観衆を集めた。スタッフとして同行を頼まれた高島氏は、名古屋から出発し、ウラジオストク経由で入国。関西後援会からは5~6人が参加したという。

 大会には新日本プロレスから蝶野正洋、橋本真也、馳浩、佐々木健介、スコット・ノートン、スタイナー兄弟、全日本女子プロレスからはブル中野、北斗晶らが参戦し、北朝鮮史上初のプロレス興行が行われた。猪木さんは2日目のメインイベントで、当時の米WCW王者だった〝狂乱の貴公子〟ことリック・フレアーと一騎打ち。延髄斬りやコブラツイストを繰り出して躍動し、平壌市民を熱狂させた。

 リングサイドに座って観戦した高島氏は「四方八方、どこを見ても人ばかり。19万人の『うわー』っていう歓声とイノキコールが津波のように押し寄せてくるんですよ。隣の人との会話が聞こえなかった」と当時の状況を説明した。ただ、猪木さんはいつもと変わらない表情だったという。

 高島氏は「北朝鮮だろうと気にしない。猪木議員会長のサービス精神はいつも通りで、北朝鮮のファンにも笑顔で手を振って交流していましたね」と振り返った。

 ☆たかしま・ひでさぶろう 1963年4月10日生まれ。大阪・東大阪市出身。関西外国語大学卒業後、高校教諭として英語を教えている。大学時代にアントニオ猪木氏の関西後援会に入会後、国内外の試合やイベントに足しげく通い、スタッフとして参議院選挙の手伝いやイベント開催にも尽力してきた。