女子プロレス「スターダム」の年内最終興行となる29日の東京・両国国技館大会で、〝お騒がせ女〟ジュリア(28)が王者の朱里(33)との29分51秒の死闘を制し、ワールド王座を初戴冠した。

 涙を流す朱里からベルトを腰に巻かれると、ついにジュリアの涙腺が崩壊した。高い壁として立ち続ける尊敬する先輩であり、支えてくれた元盟友でもあった。「あなたには感謝しきれない。本当にありがとうございました」。心の底から偽りのない気持ちを吐き出した。

 最高のシチュエーションだった。リーグ戦「5★STAR GP」覇者として挑戦権を獲得したジュリアの相手は、昨年末の戴冠からこれまでV10を果たし、2022年度の「プロレス大賞」女子プロレス大賞を受賞した朱里だ。

 運命の一戦は、お互いの意地とプライドが交錯した。花道で王者をとらえたジュリアは、段差のある客席めがけスープレックスで投げ飛ばす。負けじと朱里もテーブル上でパイルドライバーを決め、一歩も譲らなかった。

 勝負を決めたのは、挑戦者の意地だ。30分1本一戦が、残り時間1分を切ったところだった。ジュリアが変型のノーザンライトボムを決め、3月の同王座戦で敗れたリベンジを果たした。

 アイスリボンを騒動の末に退団し、スターダムに移籍したのが2019年11月。わずか3年で頂点に立った。「スターダム最強は、ジュリアってことで間違いないよな? ジュリアが帰ってきたぞ! 女子全員、覚悟しておけよ。スターダム、女子プロレス界は、私が引っかき回してやるから!」

 2020年には白のワンダー王者として活躍し、同年度の女子プロレス大賞を受賞。歯に衣着せぬ発言、物おじじない行動力で話題を振りまき、女子プロ界に革命を起こした。業界最高峰王座を手に、ジュリア時代の第2章が幕開けする。