新旧アイドルレスラーが奇跡の合体だ。女子プロレス「スターダム」のゴッデス王座を保持する中野たむとなつぽい(27)の「メルティア」が、故ジャッキー佐藤さんとの「ビューティ・ペア」で一世を風靡した元祖アイドルレスラー、マキ上田さん(63)から“金言”を授かった。「令和のビューティ・ペアを目指す」と公言する2人は、目標とする大先輩から数々の刺激をもらい、高橋奈七永&優宇とのV3戦(29日、東京・両国国技館)へ大きな弾みをつけた。

メルティアも一時代を築けるか
メルティアも一時代を築けるか

 

マキさん(左)とジャッキーさんの「ビューティ・ペア」は社会現象になった
マキさん(左)とジャッキーさんの「ビューティ・ペア」は社会現象になった

 

    なつぽい プロレスラーとアーティストをやるって、お二人が一番初めだったと思うんですけど。その時の経験をいろいろお聞きしたいです!

 マキ はい。何でもどうぞ。ちなみに2人は今、いくつなの?

 なつぽい 27歳です。

 中野 私は1081歳です!

 マキ あ、そういう感じね(笑い)。私たちの場合は、プロレスが主体で歌は副業。歌は別に好きじゃなかったから、「しょうがねえな」って感じでやってたの。

 中野 そうなんですね。私たちは最近歌も始めて「二足のわらじ」って言われるようになったんですけど、選手やファンの方に「プロレスを中途半端にやるんじゃねえ」っていう声もあるんです。どちらも気を抜く気は一切ないんですけど、マキさんの時代もそういう声はありました?

 マキ なかったね。プロレスが強いから文句を言う人はいなかった。プロレスが弱いから言われちゃうんじゃないのかな? ゴメンね、変な言い方だけど。強いと、ああだこうだ言ってくるやつがいないの。

 なつぽい プロレスで結果を出しているからこそ、文句のつけようがないですもんね。

 中野 うん。強くなればいい。有無を言わせないということですね。先ほど歌は好きではなかったっておっしゃってましたけど、歌の練習もされてたんですか?

 マキ あのころは音楽番組の収録とか地方巡業もあって忙しすぎて、移動時間しか寝る時間がなかった。だから歌の練習する暇もなくて、カセットテープに曲を入れてもらって毎日聴いてた。1、2回だけピアノのレッスンに行ったことあるけど…。もうちょっと練習してたら、うまかったかもね(笑い)。

 なつぽい えー、そうなんですか! 1日のほとんどの時間をジャッキーさんと一緒にいて、ケンカはありましたか?

 マキ ないね。相手が何をしたいかアイコンタクトでわかってたから。試合では私がうまく死んで、ジャッキーを強く見せてやろうって思って戦ってたの。タッグの2人ともが「自分が自分が」でやっているとどっちも潰れちゃうから、ここは我慢して引くとか、相手を輝かせてあげる気持ちが大切だと思うよ。

 なつぽい 勉強になります。

 マキ それが私たちは合っていたんだよね。だからもし、生まれ変わってプロレスをやるとしても、やっぱりパートナーはジャッキーがいいなと思う。

中野が涙ぐむ場面も…
中野が涙ぐむ場面も…

 なつぽい お話を聞いて愛だなって思いました。たむちゃんと組んでから4か月間、たむちゃんを大切にしようって思いながらも、どこか自分がもっと上に行かないとっていう気持ちが抑えられてないなっていうことも多々感じることがあって。そのバランスが難しくて、心の葛藤がちょっとあったんです(泣く)。

 マキ 焦らない、焦らない。ゆっくりでいいんだよ。ケンカしてもいいし、なんかあったら愚痴を言えて自分をフォローしてくれるパートナーもできたじゃん。それだけでもよかったよ。

 中野 愛がないと思ったことはないよ。

 なつぽい ありがとう。リングの中でも自分の役割をちゃんと理解することも大切だし、自分ばっかりってなっちゃいけないなって、今話を聞いて思いました。ありがとうございます。

 中野 マキさんは欲がないですよね。今の選手ってみんな、「あれをかなえたい、これをかなえたい」みたいな思いがあって。それって強さに変わると思うんですけど、本当にトップ取れる人って、そういう自分の欲望よりも周りとかパートナーへの愛が深いからこそ導かれるんだなって思いました。

 マキ 焦らず頑張ってね。

 中野 はい! マキさん、私たちの最終目標は日本武道館でのワンマンライブなんですけど、もし実現できたら出てくださいますか?

 マキ ちょっとわかんないなあ…(笑い)。実現が早かったら出るチャンスもあるかもしれないけど、あんまり遅くなったらババアだから表に出たくないのよね。

 中野 2年以内には…実現します。

 マキ おお! 頑張ってね!

マキさん、私たち強くなります!
マキさん、私たち強くなります!

 ☆まき・うえだ 1959年3月8日生まれ、鳥取市出身。75年3月に全日本女子プロレスでデビューし、故ジャッキー佐藤さんとの「ビューティ・ペア」が社会現象に。79年2月の「敗者引退マッチ」でジャッキーさんに敗れ引退。その後はタレント活動をしていたが、48歳で東京・浅草の釜飯屋「田毎(たごと)」の主人と結婚。現在は女将として切り盛りする。

 ☆なつぽい 1995年7月19日生まれ。横浜市出身。3歳からタレントとして活動し、小学生時代からバトントワリングで活躍。万喜なつみのリングネームで、2015年5月31日のアクトレスガールズ新木場大会でデビュー。今年7月に中野たむ率いる「コズミック・エンジェルズ」に加入。必殺技はフェアリアルギフト。150センチ、47キロ。

 ☆なかの・たむ 3月22日生まれ。愛知・安城市出身。アイドル活動を経て2016年7月18日のアクトレスガールズ新木場大会でデビュー。FMW―Eでは電流爆破も経験し、17年6月のアクトレスガールズ退団後はスターダムに参戦。20年12月に「コズミック・エンジェルズ」をユニットとして独立させた。必殺技は猛虎原爆固め。157センチ、50キロ。