相手が相手だけに不気味だ。日本ハムから近藤健介外野手(29)を最大7年45億円の大型契約で獲得したソフトバンクで、人的補償をめぐる悩ましい時間が始まった。

 プロテクトリストの提出期限は、契約締結を公示された日から2週間以内。それこそ直近の現役ドラフトも含めて、相手の補強の進捗も踏まえてリスト作りをすることになる。覚悟の上ではあるものの「どういう選手を獲ろうとしてくるかは分からない。難しい」と球団フロントも頭をひねっている。

 何せ予測不可能な新庄ビッグボスだ。しかも敵将は妙な〝若鷹マニアぶり〟でも知られている。就任前にもウエスタンの試合を見ていたようで、自身のインスタグラムで谷川原健太捕手(25)の外野守備を取り上げて「久しぶりに特Aの肩を見た」などと大絶賛。

 また、監督就任直後のテレビ出演では、獲得したい選手として大砲候補・リチャード内野手(23)の名前を挙げて、一軍に上がる前から目を付けていたことを明かしている。今季もコロナ禍により打線が若手中心だった8月末の対戦では「よそのチームだけど、見ていて楽しい」と心を躍らせていた。

 若手選手が伸びてきているだけに、リスト作りは難しい選択を強いられる。それこそ〝ロマン枠〟として覚醒への期待をかけてきている田中正義投手(28)や杉山一樹投手(25)、笠谷俊介投手(25)らも獲られたくはない。当然ながらプロテクトの枠には限りがあるのだが…。

 かといって若手を厚くプロテクトすればいいとは限らない。敵将は「(来季は)日本一だけを目指します」と宣言。すでにトレードを3件成立させるなど積極的に動いており、即戦力に食指を伸ばす可能性もある。

 今季7勝を挙げた大功労者の和田毅投手(41)などFA権を持っているベテランを外すことは戦略上ありえる話だが、相手の球団カラーとしても、あっと驚く〝サプライズ指名〟を仕掛けてくる可能性もある。

 最終的には13勝11敗1分けで勝ち越したものの、シーズンでも最下位に沈んだビッグボス軍に思わぬ苦戦をしいられたソフトバンク。誰が獲られても痛いことには間違いないが、果たして――。(金額は推定)