プロ野球の現役ドラフトが9日に非公開のオンラインで開催された。注目の巨人は楽天からオコエ瑠偉外野手(25)を獲得。本紙評論家で元スカウトの得津高宏氏は「化ける」可能性を指摘。マイペースな逸材を球団や現場首脳陣がどこまでコントロールできるかが、新天地での成功を左右しそうだ。

 NPB初の試みの主役は巨人。移籍が決まった12選手の中でも知名度抜群の眠れる逸材を手に入れた。果たしてオコエは巨人で花開くのか。得津氏の見解はこうだ。

「ドラフト1位の選手ですから、楽天も何とか育てたかったんでしょうけど、仕方がなかったんでしょうね。以前、私も春季キャンプを視察しに行った際にオコエに声をかけたことがあるんですが、打撃フォームについて気になる点をぶつけてみたところ『自分はこのやり方で打ってきたんです』と、まったく聞く耳を持たないという感じでした。楽天の首脳陣に対してもそうだったようで、巨人のコーチたちがどこまで矯正できるかでしょうね。ただ、化ける可能性はあります」

 確かにオコエの育成について、楽天は潜在能力は認めながらも持て余していた感がある。だからこそ本人のためにも「空気が変われば…」と今回リストに載せたのだろう。

 もちろん、巨人もそうした事情は重々承知のはずだ。それでも獲得に踏み切ったのは、「ウチなら化ける」という自信の表れではないか。原監督は「チームの補強ポイントを埋めることができる有力な選手を獲得することができました。オコエ瑠偉選手にはジャイアンツの一員として、今まで以上の活躍を見せてくれることを期待しています」とのコメントを発した。

 巨人の来季外野構想は丸、ウォーカーに加え、増田陸、ドラ2ルーキー萩尾、さらには今オフ復帰の長野、ドラ1の浅野らが加わる構図。そこにオコエが付け入る隙があるのだろうか。

 まだまだ粗削りな打撃を見れば即戦力と計算するのは苦しそうだが、原監督が「補強ポイント」としたのは抜群の身体能力を生かした守備面にも目を付けているからではないか。今季も左翼のウォーカーが守備難を露呈したが、〝名手〟亀井外野守備走塁コーチ(来季は打撃担当)の熱血指導でみるみる上達した。その点、オコエはウォーカーとは比較にならない〝強肩〟という武器をすでに備えている。

 得津氏の指摘通り、周囲を固めるコーチ陣の指導がハマれば…。打撃では丸やウォーカーに劣っても、磨けば光るものは持っている。「化ける」可能性は十分ありそうだ。