巨人の坂本勇人内野手(33)が9月30日に東京都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、固定制で現状維持の年俸6億円でサインした。故障で1か月以上の離脱が2度あり、出場83試合と5本塁打はともにプロ2年目以降で最少。不振に終わった背番号6の再生に向け、多数の〝刺客〟を送り込まれている。

 連日、契約更改が続く中、球団は北村、広岡、中山らに坂本からの「遊撃奪取指令」を出している。中山は「(球団から)勇人さんのポジションを奪って頑張ってくれと言われた」と証言し、さらにドラフト4位で遊撃の門脇誠内野手(21=創価大)を獲得。これまで無風だったGの遊撃が一気に激戦区と化した。

 そのうえで原監督はインタビューで「(坂本は)そこは逃げさせない。ショートで生きるしかないですよ。このチームの中では」と、一塁などへの配転の可能性を否定している。この動きについて首脳陣の一人は「ここ数年、坂本にはライバルがいなかった。年齢のカベにぶつかった坂本がここからさらに成績を上げられるかどうかは、どれだけ危機感をあおれるかにかかっている」と説明。球団による若手への猛ゲキは正念場を迎えた坂本に向けた奮起エールでもある。

 今季の坂本はケガを繰り返し2008年のレギュラー定着後、ワーストの出場83試合に終わった。契約更改後、坂本は「遊撃を譲る気はないか?」と聞かれ「もちろんそうですし。今年の僕を見て、取れると思ったんじゃないですかね。だから言っているんじゃないですか」と一笑。「いいんじゃないですか、そうやって、若い選手がレギュラー狙うのは当たり前のことだと思うので。はい」と受け流した。

 言葉ではそう言いながらも坂本は「本塁打や長打力が明らかに今年はがくっと落ちちゃったので、数字の目標というよりか、長打力をもう一度取り戻したい」と復権に必死。8年間務めたキャプテンの座も岡本和に譲り、言い訳のできない状況に追い込まれた。

 もちろん遊撃守備への自信は揺るがない。過去5度獲得したゴールデン・グラブ賞について「他チームのショートの選手にまだまだ負けていないと思える部分があるので、そこは何とか若い選手の動きには勝てないかもしれないが、経験だったりそういうところで、もう一度取れたらいい」とコブシを握った。

 競争が活発化すればチーム力アップに直結する。坂本の再生、さらには若手の覚醒につながるか、見ものだ。

=金額は推定=