真夏の東京ドームで、猛虎の地力がくっきりと浮かび上がった。阪神は13日の巨人戦(東京ドーム)に3―2で競り勝ち、4連勝。敵地での首位攻防3連戦をスイープし、ゲーム差をついに3まで広げた。最短で15日の広島戦(マツダ)で優勝マジック33が点灯する。

 同率首位で迎えた3連戦。第1、2戦の勝敗を分けたのは打線の圧倒的な火力差だった。近本、森下、佐藤らが2戦合計7発という容赦ない空中戦を仕掛け、相手投手陣を火の海に――。猛虎打線の力量を改めて周囲に知らしめた。

 勝てば3差、負ければ1差。この日の第3戦で勝敗を分けたのは、一転して両軍ブルペンの質と量だった。6回に坂本の6号2ランで3―2と逆転すると、藤川球児監督(46)は継投策への移行を決断。木下→岩崎→工藤と惜しみなくリリーバーをつぎ込み、僅差のゲームを制圧した。

 東京ドーム決戦を見届けた監督経験もある大物球界OBは「なぜこの時期まで両軍のゲーム差がこんなにも拮抗(きっこう)していたか理解できないほど、チーム力に差を感じた」とうなる。セ打撃主要3冠タイトルレースの上位者は猛虎勢がほぼ独占。投手陣も最多勝争いで高橋がトップを走り、最優秀防御率は村上、高橋が1、2位を占める。

 前出のOBは「最大の要因は、巨人が下位チームに対する取りこぼしが少ない一方、阪神がDeNAや中日などのチームから勝てる星を取りこぼし続けてきたことだろう。特にここまでは継投面での誤算が相次いでいた」と指摘する。

 8月に入っても勝利の方程式を固められず接戦を落としてきた藤川虎。それでも木下、岩崎、工藤と世代の異なる3投手で1点差を守り切ったこの日のリレーは、懸案だったブルペンの再整備が着実に進んでいることを印象づけた。

 試合後の藤川監督も「流れはいい形だと思う。あすからも頑張っていきたい」と静かにうなずく。シーズンは残り40試合。首位争いを長引かせてきた最後の穴まで埋まりつつある。東京ドームで見せつけた力量差を考えれば「3差」は、むしろ独走への入り口なのかもしれない。