10月1日に死去したアントニオ猪木さん(享年79)の元番記者が、〝昭和〟の燃える闘魂を振り返る連載第22回。「数字」にまつわる、猪木さんの不思議なエピソードを公開する。
ハワイのホノルル国際空港だったと思う。猪木さんと私は、たぶん本土のロサンゼルスに向かおうとしていたのではないか。「社長、今回もありますよ」と、新日本プロレス渉外部の女性社員Kさん(当時)がそう言って搭乗券を渡すと、猪木さんは「ああ本当だ、あるね」。
何があるのか聞くと、猪木さんには何にでも必ずついてくる数字があるという。それは2と8。
「ほら、今回乗るのは1288便で、搭乗口は22番でしょ。社長はなぜか2か8が必ず関わってくるのよ」(Kさん)
確かに猪木さんの誕生日は2月20日、当時乗っていたキャデラックリムジンのナンバーは「2088」とか「2080」とかそんな感じで、2と8が多かったと言われれば、そうだったかもしれない。
うたぐり深い私は検証が必要だろうと、それ以降、いろいろな場面で猪木さんの数字に注目した。ホテルの部屋番号、乗ったタクシーやレンタカーのナンバー、飛行機の便名、レシートの金額などなど。可能な限りチェックしたのだが、やはりその通り必ず2か8がついていた。
猪木さんのラッキーナンバーなのか。直撃すると「うーん、ラッキーナンバーってこともないんだよね。特に2や8がらみで、よかったこともないし。でも何でか分からないけど、2と8に縁があるってことだな。俺はホント、必ず2か8が入ってるんだよね」。
ラッキーナンバーじゃないなら何なんだ。この猪木さんの2と8をどう解釈すればいいのか。
2と8、2と8、2と8…浮かんできた言葉は、いわゆる「ニッパチ」だ。2月と8月は商売が低調になり売り上げが下がることが多いということで、ビジネスでは嫌われる月として知られている。
2と8=ニッパチ。もしそうなら、猪木さんは〝インケツ〟に付きまとわれていた、ということになるのか。莫大な金を手にしているにもかかわらず、長年借金に追われていたことも、ひょっとして2と8の呪い?
これが1と8(イチかバチか)なら猪木さんらしかったのだが…。猪木さんの謎の数字2と8、読者の皆さんはどう思いますか。
(元プロレス担当・吉武保則)












