米大リーグのMVPが17日(日本時間18日)に発表され、ア・リーグはヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)が初受賞した。昨季は満票受賞だったエンゼルスの大谷翔平投手(28)は、130ポイント差の次点となり、2年連続の偉業はならなかった。投票権を持つ多くの記者が最後まで迷ったというメジャー史に残る両雄のMVP争いの“舞台裏”に迫った。

 大きな話題を呼んだ大谷とジャッジの今季ア・リーグMVP合戦はジャッジが30票中、1位票を28票獲得(大谷は1位票2、2位票28)して幕を閉じたが、投票権を持っていた多くの記者が最後まで迷ったことを明かしている。

 地元紙オレンジ・カウンティー・レジスターが集めた記者らの証言によると、ジャッジに投票したオリオールズ番ダン・コネリー記者は「9月下旬まで、大谷かジャッジで行ったり来たりした。大谷は自分が生きてきた中で一度も見たことのないもの。でも、ア・リーグで62本塁打も見たことのないもの。ジャッジが記録を達成し、3冠王に近かったことでジャッジを選んだが、最後まで僅差だった」

 レイズ番マーク・トプキン記者も「大谷が成し遂げたことは素晴らしく、またしてもわれわれが見たことのないシーズン。他の年だったら大谷が明らかなMVP。でもジャッジが今年やったことはまさに歴史的で、彼の助けでチームはポストシーズンに進出できた」と、まるでレスリングマッチのように悩んだという。

 ツインズ番ベッツィー・ヘルファンド記者はジャッジがデータサイト「ファングラフス」のWARで11・4と9・5の大谷を大幅に上回っていたことで、ジャッジを1位に投票したが、決して大谷のシーズンを当たり前のこととして捉えないようにすることの大事さを強調した。

 大谷を1位に投票した2人中の一人、エンゼルス番サム・ブラム記者は米スポーツサイト「アスレチック」の中で「大谷を選んだ理由はとてもベーシック。ハイレベルな打撃を見せた。とてつもなくハイレベルな投球を見せた。野球史上、最高のシーズンを過ごした」と、自身の判断が多くの波紋を呼ぶのを覚悟で自分の信じる二刀流の価値に投票したと説明。ブラム記者の記事やツイッターには賛否両論の声が数百件寄せられている。

 大谷の2年連続受賞がなかったのは残念だが、今年のア・リーグMVP争いもまた歴史に刻まれ、長く語り継がれることになるだろう。