再び日の丸をまとい地元に恩返しだ。阪神・青柳晃洋投手(28)が、1勝につき10万円分の図書や文具・玩具類を寄付する慈善活動として、17日に出身地の神奈川・横浜市鶴見区にある2校の小学校を訪問。今季リーグ最多の13勝を挙げた右腕は、児童たちとキャッチボールなどでふれあい、講話では「夢を持つことの大切さ」を熱弁。「できない理由や諦める理由を環境のせいにするのではなく、続ける理由を探してほしい」とメッセージを送った。

 中学までは控え投手、県下でも無名の高校(川崎工科)から帝京大に進学しプロ入り、今季は最多勝・最優秀防御率・最高勝率のリーグ3冠に輝いてもなお、自身を「未完の大器」と表現。いまだ現状に満足していない虎のエースでもある。

 この日の講話でも「僕もまだまだ上の舞台を目指したい」と、来年3月に行われるWBC日本代表入りを身近な目標の一つに置いていることを告白。「12月から2月まで、時間をかけてできるようにしていこうかなと。もちろんWBCに選ばれたら、もちろんそれに向けて全力で調整しますし、そうじゃなくても今年、開幕投手という目標がある」と、始動を例年より約1か月前倒しし、来季に備えるという。

 先日行われた侍ジャパンの強化試合も「見てました。ピッチャーのレベルは本当に高い。そういうところの一員でやりたい気持ちは、もちろん持っていました」とキッパリ。金メダルに輝いた東京五輪に続き、2023年のWBCで日の丸のユニホームに袖を通すことは「かなえたい夢」の一つでもある。

 昨年の訪問では、東京五輪の金メダルをひっさげて登場。野球人生で初の「優勝」を経験し「こんなにうれしいことはなかった」と振り返った一方、個人としては登板2試合とも打ち込まれた結果を受け止め「国際大会での借りは国際大会でしか返せない」と五輪直後から再度の代表入りを熱望したほど。もちろん“可能性”は大いにある。

 今季終盤の9月13日の広島戦(甲子園)では、先発マウンドに上がった青柳を“お目当て”の一人として、吉井理人代表投手コーチ(現ロッテ監督)が単身で視察。侍関係者によると、球の出どころが見にくい変則フォームから繰り出す独特な軌道の青柳のツーシームは、パワーヒッターの多い中南米系のチームには効果的で、左右とも本格派投手が揃う日の丸先発陣の後に続く「第2先発」として有力な候補の一人でもある。

 現役中は活動継続を公言するこの日の訪問を終え「来年、来たとき『誰だ?』って言われないように(笑い)。鶴見区出身の有名人は『青柳』と言われるような。そういう活躍と貢献は続けていきたい」と、さらなる飛躍を誓った。プロ8年目の来季もさらに貪欲に、狙えるものはすべて、狙いにいく。