【赤坂英一 赤ペン!!】3年ぶりに宮崎で行われている巨人の秋季キャンプ、“新復帰組”の大久保打撃チーフコーチ、川相総合コーチの精力的な指導ぶりが目立つ。
本紙が再三報じている通り、大久保コーチは朝6時半開始の打撃練習、アーリーワークを導入。2000本の連続ティー打撃を課し、若手たちを早朝からヘトヘトになるまで絞り上げている。
9時半からは投内総合と名づけられた守備練習で、ダブルプレーや中継プレーなどの最中、川相総合コーチが細かい指示を飛ばす。続いてひむかスタジアムでの守備練習でみっちりと直接指導。
意外に思われるだろうが、川相コーチが巨人で守備の技術を教えるのは今回が初めて。2011年の巨人復帰後は、二軍・三軍監督、一軍ヘッドコーチを歴任し、選手への直接指導は守備コーチに任せていたからだ。
守備の指導は、中日で一軍内野守備走塁コーチを務めていた07~09年以来。現役時代は巨人のショートとして、坂本を上回る球団最多の6度のゴールデン・グラブ賞受賞を誇る。それだけに練習の中身も実に細かい。
ノックをしたり、手でゴロを転がしたりして、「一塁送球10本」「併殺20本」などと指示。捕らせる打球のコース、角度、バウンドに微妙な変化をつけながら「目線をここにもってきて」「もっと早く足を運んで」と、身ぶり手ぶりを交えて具体的な助言を繰り返す。
川相コーチによれば、その指導内容は中日時代以上に深く細かい。そういう意味で、湯浅、中山、菊田ら若手は貴重な経験をしていると言える。
ところで、そんな川相コーチと大久保コーチが巨人でともにプレーしていた92年、「だから巨人は強いんだと思った」と、大久保が打ち明けたこんなエピソードがある。
この年7月29日、甲子園の阪神戦。2点リードの巨人は9回、二死満塁のピンチを迎えた。投手は石毛、捕手は大久保。2人がマウンド上で話していると、三塁を守っていた原・現監督がやってきて、こう声をかけた。
「面白くなってきたなあ! 見ろ、スタンドの盛り上がりを! 野球っていいなあ! な、そう思うだろ? デーブ!」
そこへショートの川相が「よーし、ど真ん中へほうれ!」とゲキを飛ばしたという。こうして三邪飛に打ち取ったのは、岡田・現阪神監督だった。
あれからちょうど30年、原監督の下に、久々に大久保、川相コーチが帰ってきた。あの時代の明るい強さを、また取り戻してほしいと思う。












