中日の一軍打撃コーチを来季から務める和田一浩氏(50)が26日、ナゴヤ球場で行われている秋季練習にスーツ姿で初視察。上着を脱いで石川昂、レビーラ、ガルシア、後藤らに身ぶり手ぶりを交えて熱血指導を行った。

 就任1年目の立浪和義監督(53)は、12球団ワーストの62本塁打、414得点と深刻な得点力不足に泣き、今季は6年ぶりの最下位に低迷。そのため指揮官から「あれだけのバッターだし、現役時代も引退してからも、いろいろ打撃の話はしてきた。これだけ今年、打てなかった打線で打撃コーチは大変なポジションだが、自分の思い通りにやってもらえればいい。独特の感覚を持っているところもあるし、そこは選手とうまく話しながらコミュニケーションを取ってやってもらえばいい。ベンちゃん(和田氏の愛称)にはいろんな意味で期待している」と打撃面では〝全権委任〟された格好だ。
 
 和田氏は選手と積極的に対話。指導方法について「あんまりこう打て、ああ打てではないが、しゃべりながらどういうやり方がいいのかとか、そういう話をした。見てみないと分からなかったりする。その選手の考え方があるので、一概に一通りって絶対ないと思う。体の使い方だったり、選手によって特徴がある。選手がどういう方向で進んでいきたいかを聞きつつ、お互いに意見を合わせて明確にしていかないと。ただきつい練習をしても上達はなかなかしない。ただ打撃はそんな簡単なものじゃない」と力説する。

 その上で「今、いろんな理論がいっぱいある。選手それぞれ考え方があると思う。そこに迷わないようにはしていきたい。目指すべき方向をしっかり選手一人一人が自分の考えを持って進んでいかないと、納得しないと思う。ただ何となくでは上手にならない。漠然とやっていてはダメ」と持論を展開した。