去就問題は丸く収まった。ソフトバンクの柳田悠岐外野手(34)が来季もキャプテンとしてチームをけん引する。秋季練習初日となった24日、ペイペイドームで藤本博史監督(58)と面談。柳田はCS敗退直後に、自身が思うような結果を残せなかったことがV逸要因と捉え「主将辞意」を示していたが、指揮官の強い慰留を受け入れた。
責任感の強い柳田らしい葛藤があった。この日も「ついてこなくてもいいんで。まずは自分の(仕事を果たす)。今年ダメだったんで、いい結果を出せるように準備したい」と口を突いて出るのはふがいなさからくる回顧だった。左肩の故障と新型コロナによる離脱もあり、117試合の出場。いかなる理由であっても「不在」を悔やんでいた。
相手のマークが一極集中する中で打率2割7分5厘、24本塁打、79打点の数字を残したが、本人からすれば到底受け入れがたいものだった。シーズン最終盤、故障をおしながら獅子奮迅の活躍も届かなったV奪回。就任1年目の藤本監督への恩返しがかなわなかったことを誰よりも重く受け止めていた。求められる数字を残してこそ引き受ける資格がある――。一本気な気質を持つ柳田ゆえの「去就問題」だった。
ただ「お前しかおらへん」「俺が監督の間はやってくれ」と入団以来、心を通わせてきた藤本監督に請われれば、首を横に振ることはなかった。柳田との距離感を心得る指揮官は監督室で「(自ら副主将を名乗り続けてきた)栗原を副キャプテンにつけるよ」と、よもやの事態に備えて隠し持っていた〝交渉材料〟を出して堅苦しい雰囲気を一掃。ファンを含め気を揉んでいた周囲の心配をよそに、波長の合う師弟コンビらしく和やかにわずか5分で決着した。
終戦から1週間、柳田はファスティング(断食)を敢行して再始動の準備を進めている。秋季練習とキャンプは参加免除になるが、すでに来季に向けたオフのトレーニングは計画済み。「ここから食事、腸内環境を整えて、そこから動きます」。ふがいない思いが強い分、すでに鼻息は荒い。












