説得の仕方も実に藤本流だ。ソフトバンクの藤本博史監督(58)が、柳田悠岐外野手(34)の「主将続投」を全力で要請することを明かした。完全終戦から2日。来季に向けた重要ミッションを前に、予行演習とばかりに得意のトークをサク裂させて先手を打った。
17日は所用でペイペイドームを訪問。思わず懸案を口にした。「終わった時に本人が『もう、しません。俺の責任です』『来年は無理です』言うとった」。大黒柱としてチームを引っ張ってきた柳田が、V逸の責任を感じて就任わずか1年での〝主将辞任〟をにおわせていたからだ。
だが藤本監督の中に主将交代のカードはない。「口数多いキャプテンもいらん。柳田みたいに背中で引っ張っていくのが理想。みんなが柳田のことを慕っている」。人間性を見込んでの指名で、柳田以外に「見当がつかない」。
だから引けない。秋季練習が始まる24日に選手との面談を予定。監督室に柳田を呼び、説得に当たる。難航が予想されるが、そこは得意の〝しゃべり〟で口説く。「『もう無理です』言うのは分かってる。そこをなんとか、ファンの皆さんも柳田にやってもらいたいと思ってるから。それに応えてもらいたい」。鷹党の世論を持ち出し情に訴える。それでも首を縦に振らなければ「『うん』言うまで監督室から出て行かさんから」。笑みを含ませながらも最後は強行突破をにおわせた。大阪出身、現役引退後は居酒屋を経営してトークに磨きをかけた。百戦錬磨の男は「(頼みは)しゃべりしかないやろ!」と腕をぶした。
打てる手は何でも打つ。最後は報道陣に向けて「〝俺が〟説得すんじゃなくて〝俺も〟説得するんだから。『ファンの皆さんも希望している』ということをうまく書いてよ。マスコミはそこを利用せんといかんよ。『ファンの願いは柳田キャプテンです』と書いといてください」。かつては解説者としてメディア側にもいたからこそ報道陣との距離感を生かし、バックアップを要請した。
一方の柳田も「ファンは宝物」と公言してきた。それを知ってか知らずか、策士・藤本監督の狙いは――。いずれにせよ主将の返答に注目だ。












