なぜ招集を受けたのかは、本人が一番理解している。11月の強化試合に臨む「侍ジャパン」のメンバーに追加選出されたソフトバンクの石川柊太投手(30)が、意欲満々に秋のトレーニングに励んでいる。23日は減量のためペイペイドームに自転車通勤。2時間半みっちり体を動かした。

 今回は右ヒジ痛で出場辞退した広島・森下の代替選出だが、断る理由はなかった。石川の鼻息が荒いのには理由がある。

「シーズンで結果を残していないにもかかわらず、栗山監督が選んでくださった意図は理解しています。飛び道具があること、先発も中継ぎも両方できるところだと思う。じゃないと呼ばれない」

 今季は右足首の不調を抱えながら乗り切ったシーズンだった。結果は規定投球回にわずかに届かず、黒星先行の7勝10敗、防御率3・37。誰よりもふがいなさを感じていたのは本人だった。それだけにCS敗退直後の招集オファーに「とても驚いた」と率直な思いも語った。だが、5か月後にWBCを控える代表の強化試合に声がかかる理由は、2018年にも招集経験がある右腕には理解できていた。特殊球のパワーカーブを操り、先発も第2先発も、中継ぎ起用にも応えられる「使い勝手の良さ」が売り。短期決戦の国際試合では有事への備えが極めて重要で、石川のような複数の役回りをこなせる実力と経験を持ち合わせた投手は貴重だ。

「WBCも〝出たい〟とかそういうのはないです。なぜ声がかかるのかが大事。さらに言えば、それに自分が応えられるかが大事」。追加招集ながらこれほど代表への理解と意欲がある男は、栗山監督にとっても心強いはずだ。