原巨人が「脱・選手任せ」へ大転換だ。新風を吹き込んだのは、新入閣したばかりの「デーブ」こと大久保博元打撃チーフコーチ(55)。15項目ものケース打撃メニューを用意し、今後のチームのルーティーンとすることを決めた。リーグ4位に沈んだ今季までからすれば、実は劇的な路線変更。選手たちの自主性を重んじたあまり、打撃コーチたちには〝指導禁止令〟まで出されていた――。
得点力向上へ、強烈な個性を放つ大久保コーチを中心に大胆な改革に乗り出した。18日の秋季練習で、野手陣に課せられたのは15項目にも及ぶケース打撃。バント関連だけでも8種類あり「進塁打(ゴロ)ランナー・二塁」や「エンドラン(一死ヒット狙い)」などアウトカウントや走者の位置も細かく設定され、すべての項目をミスなくクリアできなければ、振り出しに戻るメニューだった。
導入した意図は明確で、大久保コーチは「完全に規制がかかる打席がチーム打撃。それを徹底する。1年間続けて意識づける」とズバリ。今季は一発こそ生まれてもここぞの一打が出ず、試合を落とすケースが頻発した。また、簡単には打ち崩せない相手から1点をもぎ取るためには、ベンチ主導で試合を動かす必要もある。「責任は俺が取るから(選手は日頃から)努力はしてよと。練習に入れてできないなら俺のせい。練習してなければお前らが悪いんでしょ?と」。失敗が許されない場面で指揮官のサインを確実に遂行するため、日々の練習で精度を上げていくつもりという。
選手個々で取り組むことはあったが、チームの決め事として扱われることは巨人でもレアケースだ。岡本和も「初めてやりました」と新鮮に映ったようだ。
今回のデーブ流改革は、今季までの方針とまさに対極に位置する。というのも、ある意味で選手を〝大人扱い〟し続けてきたからだ。
球団OBは「今年はシーズンに入ってから、原監督から打撃コーチたちには〝選手が聞いてくるまでは、技術的な指導はしないように。聞かれたら答えるように〟というお達しがあったと聞いている。どちらが正解かは分からないけど、選手たちを信頼しているとも言えるし、消極的とも言える」と明かした。
ただ、その結果が2年連続の借金フィニッシュとリーグワーストのチーム打率(2割4分2厘)、何よりも5年ぶりのBクラスの一因となったことは間違いない。
原監督は大久保コーチの新メニュー導入に「例えば『ショートゴロを打ちなさい』『サードゴロを打ちなさい』というのも入っている。少々、自分の犠牲を払ってもホームラン、ヒットだけではなくて、というところ」と歓迎した。
〝選手任せ〟は個々の自覚を促すことにつながる一方、結果が伴わなければ首脳陣主導の強制も必要になってくる。デーブ改革は来季の原巨人にどんな結末をもたらすのか。












