「どすこいプロレス」率いる維新力(61)が、3年ぶりの興行「幸進」(2日、東京・新宿フェイス)で46年の格闘技人生に終止符を打った。

 ラストマッチでは、同団体の代名詞ともいえる男女混合タッグで「カラーズ」のSAKIとタッグを結成し、ドラゴンゲートの望月ススム、雪妃真矢組と対戦。激しい攻防が続く中、ススムが連続で放ったラリアートに苦しんだ。

 会場のファンからは「維新力負けるな!」とゲキが飛んだが、最後はカナディアンバックブリーカーで痛めつけられると、そのまま投げ落とされ3カウントを奪われた。

 試合後はLLPWで「ジュリアナ詩子」として人気を集めた妻の穂積詩子さん、長男の飯橋理貴、次男でドラゴンゲートに所属する飯橋偉進から花束を贈呈され、引退の10カウントゴングが鳴らされた。

 維新力は自身の格闘技人生に悔いはないとしつつ「ここで完全にどすこいプロレスをなくすのは寂しいかなと思うので、偉進が仕切ってやっていくっていうのを、いずれは考えていけたらと思っています」と語った。

〝平成の牛若丸〟の異名を取った大相撲の元十両は、廃業後にプロレスラーに転身。1990年にSWSに入団し、団体崩壊後はWARで活躍した。一時はリングを離れていたが、復帰後の2006年から「どすこいプロレス」を立ち上げ、定期的に他団体にも参戦していた。

 どすこいプロレスではこれまで天龍源一郎や蝶野正洋、元横綱曙といった数々のビッグネームも参戦。維新力は「どすこいプロレスだからこそ、いろんな選手と毎回やらせていただいて。私も昔からのプロレスファンですから、本当にこんなぜいたくはないと思いますんで。どすこいプロレスは宝物ですね」と振り返っていた。