現役最年長の中日・福留孝介外野手(45)が8日に今季限りでの引退を発表した。バンテリンドームで引退会見を行った福留は「これだけ好きな野球をやらせていただいて、本当に楽しかったです」と笑顔。福留の入団発表から引退会見まですべてを取材してきた本紙ドラ番記者が、希代のスラッガーへの思いをつづった。
【取材の裏側 現場ノート】「号泣とはいかなかったですけど、うちの家族らしく笑顔でお疲れさまと言ってくれました。一番迷惑をかけたので、ちょっとホッとしました」
引退会見の席で日米通算2450安打を放った竜のレジェンドは家族に対する感謝の思いを述べた。
本紙は2007年11月13日付の1面で福留の結婚をスクープしている。「このオフにも福留選手の結婚がある」という極秘情報をキャッチした記者は同年7月に名古屋市内にある福留の自宅マンションで本人を直撃。「時期が来たら話します。今は書かないでください」。4か月後、彼はこの言葉を守ってくれた。ドラゴンズのスター選手が親会社の新聞社以外で結婚を発表したのはおそらく史上初めてのこと。人間関係やさまざまなしがらみもあっただろう。記者との口約束など無視して各社横並びの一斉発表もできたはずだ。だが福留は何よりも〝義理〟を重んじてくれた。その決断には心から感謝している。
中日・星野仙一監督に「将来、ドラゴンズの監督を任せたくなるのは誰ですか?」と尋ねたことがある。闘将が挙げた中には当然「孝介」という名前もあった。「あいつはちょっとやそっとのことじゃ動じない。肝が据わっている」というのが理由だった。
この日の会見で福留は引退後について「自分を必要としていただけるのであれば微力ながらでも何かやっていけたらなと思う。(指導者については)まだ何も考えてない。一度ゆっくりしたいという思いもある。これからおいおい考えます」と語った。
しかし日本球界復帰後、阪神と中日で若手に的確なアドバイスを送り続けてきた福留なら、きっと素晴らしい指導者になるはずだ。
ドラゴンズを通算19年取材してきた記者は1998年の入団発表を皮切りに、99年、04年、06年のリーグV、結婚発表、FA宣言、20年2度目の入団発表、そして今回の引退発表とすべて記事にしてきた。となればあと2つ、記事にしなければなるまい。「中日・福留監督誕生」そして「福留監督 バンテリンドームで涙の胴上げ」だ。
(中日担当・宮本泰春)











