功労者のカムバックはあるのか。巨人は17日のDeNA戦(横浜)で投手陣が崩れ、3―7の逆転負けを喫した。投手力の強化がますます不可欠となる中、巨人の元エースで今季限りでの引退を表明した西武・内海哲也投手兼任コーチ(40)の動向に注目が集まりつつある。19年間の現役生活で培われた掛け値なしの財産が、後進育成に還元される球団は果たして――。
何度も繰り返された光景がまたもや広がった。打線は3回に坂本の技アリ適時打などで3点を先制したが、リードを守り切れない。4回まで無安打だった先発・メルセデスが5回に突然の集中打を浴びて3失点。2番手・赤星が6回にソトに勝ち越し2ラン、8回は井上が宮崎の2ランで傷口を広げた。借金3で4位に後退した原辰徳監督(64)は「(メルセデスは)抑える時も(テンポ、リズムが)速いけど、そっち(失点する時も)も速いからね。単調になっている部分の修正は必要」と注文をつけた。
G投再建は急務だが、来季にかけても暗い影を落としかねない課題だ。試合数の違いこそあるが、479失点は12球団ぶっちぎりのワースト。リーグ2位の得点力(427得点)を打ち消してしまっているのが現状だ。
あまりの惨状に、球団は期間限定ながらOBの高橋尚成氏を臨時コーチとして異例の招へいに踏み切った。さらに、投手陣を強化する〝適任者〟の一人に一躍浮上してきたのが内海だ。40歳の節目となる今季限りでの引退を16日に発表。球界関係者は「巨人としては内海にコーチとして是が非でも帰ってきてもらいたいでしょう。エースとしてだけでなく、なかなか勝てなくなってもがき苦しんだ時期もある。そうした経験を指導者として生かし、大いに伝えてもらいたいはず」と明かした。
巨人在籍時の2011年から2年連続で最多勝のタイトルを獲得し、19年間の現役生活で135勝。成績以外で残した功績も計り知れない。選手会長も務め、オフには多くの後輩選手を引き連れて自主トレを行ってきた。内海にとっても巨人はプロ野球人生をスタートさせた愛着ある球団。ただ、すんなりと古巣ターンを決断するかというと微妙な声もある。
「功労者であることは間違いないが、巨人のプロテクトから漏れ、現役選手として活躍の場を与えてくれたのは西武。西武への恩義もあるだろう。そう簡単に巨人に戻る決断を下すのは難しいかもしれない」(別の関係者)
巨人は18年オフに西武から炭谷(現楽天)をFAで獲得。西武側は人的補償を求め、巨人側が作成した28人のプロテクトリストから外れていた内海を指名した。当時、原監督は「自分の中で非常に難しい状態だったけど、プロテクトできなかった」と苦悩をにじませたが、元エースの流出はチーム内外に激震を走らせた。
もっとも、内海はまだ現役として最後の花道を走り続けている。この日のソフトバンク戦(ベルーナ)の3番手で登板し、1回を無失点。第2の人生を歩むのは兼任コーチを務める西武か、それとも古巣の巨人か。左腕の決断に注目が集まっている。












