ソフトバンクが26日の日本ハム戦(札幌ドーム)に10―0で快勝。首位をガッチリとキープした。

 チームにコロナ禍が再燃し、野手では主砲・柳田をはじめ、川瀬、中村晃、三森、柳町、周東、牧原大が不在の緊急事態。チームを救っているのが出場機会を得た若手だ。特に5番~7番で出場している野村大、谷川原、増田の〝筑後トリオ〟が連日の大活躍となっている。

 前日の楽天戦(楽天生命パーク)では初回に3人で4打点を叩き出すと、この日も2回に3人がつながった。増田の2点適時二塁打などで3点の先制に成功した。藤本監督は「今日は2回の5番、6番、7番につきますよね」と大絶賛だった。

 そんな若鷹野手陣の奮起を「うれしいですね」と頼もしそうに見ているのが昨季までともに現役でプレーしていた長谷川勇也打撃コーチだ。現役晩年は若手の〝師匠〟ともいえる存在で「3年、4年、5年と今の(主力)選手がやるわけではない。若い彼らが常勝が続いていくための力にならないといけない」と聞かれれば熱くアドバイスを送ってきた。

 同時に「(若い選手に)意識の高い選手がいない」などとストレートに物足りなさも口にしていた。「のんびりしているなと思う。結果がすべての世界。ユニホームを脱がないといけない時に『やりきった』と思える状態で若手のみんなが終わってほしい」とメッセージを発信してもいた。

 現在の貪欲にギラギラ感を出して試合に臨んでいる若手の姿については「コロナで離脱している(主力の)選手にも、何かを感じさせるくらい頑張っている」と笑みを浮かべる。

「今年に関しては一軍を経験でき、ファームに戻った時に『あの緊張感の中でいいプレーをするためには』という基準が作れた。大樹(野村大)にしてもいい表情になってきた。珠(増田)にしても戻ってきてからの表情だったり、練習している姿が意識が高まっていると感じる。しっかり一軍の舞台でという意志が表れていると思います」。

 もちろん、活躍を続ければ相手のマークが日に日に厳しくなってくる。そのことを想定した上で「打席を重ねていくと、研究されてまた壁にはぶち当たるとは思うが、今の練習の姿を見れいればクリアしていけるような感じではやっていると思う」と期待を込めた。

 首位とはいえ4位・楽天まで3・5ゲーム差の大混戦は続く。若い力で窮地を乗り切り、9月戦線でV奪回へのスパートをかけたいところだ。