優勝後に見据えるのは――。新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」Bブロック公式戦(24日、大田区)で、SANADA(34)がタイチ(42)を下し初勝利。悲願のG1初制覇からのIWGP世界ヘビー級王座初戴冠を狙うが、視線の先には、もう一つの目標がある。引退ロードを歩む師匠、ノア・武藤敬司(59)との〝再会〟だ。
全日本プロレス出身者同士の公式戦は、互いに一歩も譲らない激闘となった。タイチの猛攻にさらされたSANADAだったが、横綱式かち上げエルボーをかわすとオコーナーブリッジに移行。電光石火の3カウントを奪い、星取りを1勝1敗の五分に戻した。
今年は2月に新日本マットで初のシングル王座となるIWGP・USヘビー級王座を獲得。負傷欠場により返上を余儀なくされたものの、G1を制すればジェイ・ホワイトが保持するIWGP世界王座戦線に浮上できる。SANADAは「今年は俺の年にします、と言ったので」と闘志を燃やす。
しかもベルトだけではない。寡黙な男にしては珍しく「武藤敬司、俺もやりたいんですけど」と自己主張した。
2007年3月に全日本でデビューした当時の師匠である武藤は、来春までの引退を表明。引退ロードには団体の垣根を越えて対戦要望の声が出ている。新日本からは元付け人の棚橋弘至がいち早く名乗りを上げたが、SANADAも黙ってはいられなかった。
キャリアを通じて一度も武藤に勝てていない。このまま引退してしまうと、一生師匠を超えられないことになる。「あの人がいなかったら業界に入れてないですからね。感謝はもちろんしてますし、一つの時代が終わったなという寂しい気持ちはありますけど…」としつつ「正直、ヒザが使い物にならないのに、まだメインイベントに出てるんですよ。俺たちからしたら未来がないですよね」と世代交代が不完全だったことに対する複雑な心境を明かす。
師弟対決では往々にして「恩返し」という言葉が用いられるが、武藤の性格をよく知るSANADAは「恩返ししてほしいとは思ってないんじゃないですか?」と分析。「未来のことを考えたら、武藤敬司を追い出す人間が必要なんじゃないですかね。そして武藤敬司を追い出す人間は、俺しかいないでしょう」と〝介錯人〟に名乗り出た。
もちろんまずはG1初制覇が最優先事項。誰もが認めるトップレスラーの地位を確立した上で、最後の師弟対決を実現させる。












