【大下剛史・熱血球論】今年のカープの戦いぶりを見ていて「やっぱり佐々岡に監督をやらせて正解だった」と思っているファンも多いのではないだろうか。昨季までの2年間は5位、4位と苦しんだが、今季は36試合を消化して20勝15敗1分けの貯金5。首位ヤクルトとは1ゲーム差の2位と好位置につけている。「石の上にも三年」とはよく言ったものだ。
もちろん、このまま快走できるほど勝負の世界は甘くない。試練を迎えることもあるだろう。だが、今年のカープが大崩れすることはないと見ている。なぜなら、3年目を迎えた指揮官が腹をくくり、地に足をつけて戦っているからだ。
昨季まではベンチで隣にいた同い年の河田ヘッドが三塁ベースコーチとなり、13歳下の東出野手総合コーチがサポート役となっているのも、その表れだろう。投手出身の佐々岡監督にとって、いわば攻撃面は専門外。判断に迷うことがあればヘッドを頼っていた面もあったと思う。しかし、最終的に勝敗の責任を負うのは監督の役目。3年目での〝独り立ち〟からも、結果が出なければ…という指揮官としての覚悟が感じられる。
その覚悟は選手にも危機感として伝わったはずだ。情に厚い佐々岡監督は選手やスタッフからの人気も高い。選手たちも「このまま佐々岡さんにつらい思いをさせ続けていいのか」と目を覚ましたのではないだろうか。連日のように真っ赤に染まったマツダスタジアムで選手たちが躍動する姿を見ていると、ファン、現場、フロントが三位一体となって「佐々岡監督を男にしよう」という思いがヒシヒシと伝わってくる。このまま佐々岡監督が現役時代の投球スタイルのように「打てるもんなら打ってみろ」のスタンスを貫くことができれば、実りの秋が待っているはずだ。
(本紙専属評論家)












