守護神が不在となる影響は想像以上に大きい。ソフトバンクの絶対的クローザー・森唯斗(30)が17日に再調整のため登録を抹消された。

 藤本監督は楽天戦(鹿児島)前の練習中、本人に決断の理由を直接説明。「ここまでずっと9回の『守護神』としてやってきたわけだから。じゃあ(9回の)前に行くかと言っても、前に行ったら余計おかしくなるだけ。一回抹消してミニキャンプじゃないけど、3年くらい前の森で帰ってくるように、一回リフレッシュも含めてやってもらおうと話をした」。一軍に戻る際のポジションは「守護神」が大前提。「本人もそれしか考えていないと思う。だから期限は決めていない」と指揮官は話した。

 それは簡単な決断ではなかった。「9回というポジションは誰でもいけるもんじゃない。一番緊張感のある大事なところ。本当に難しい」。森の代わりに「9回に投げる投手」を充てるだけ…ではないから悩ましい。守護神不在の影響はブルペン全体に波及するもの。役回りが〝後ろにずれる〟ことで調子を崩す投手は多い。「(代役の)理想はモイネロだけど、去年失敗しとるからね」。

〝8回の男〟で無双するモイネロも昨季〝代理守護神〟を務めたことがきっかけで、本来の投球が鳴りを潜めた。それまで好調だった岩崎(現中日)、板東らも役回りが変わったことで軒並み調子を崩し、工藤前監督も守護神不在の余波を嘆いたほどだった。

 現在、勝ちゲームで起用される機会が多い藤井、嘉弥真、津森、又吉、モイネロらは明確な持ち場の中で輝きを放っている。藤本監督も「森の前のみんなが今いい状態なのは、森が9回おるからいいんやからね。これが一個一個ズレたら、どうなるか分かんない」と強い懸念を抱く。

 本当に大変なのは森がいなくなった、これから――。「最終的には森が9回に戻ってくれば、またいい形がつくれる。それまではいるメンバーで何とかする」と覚悟を決めた藤本監督。絶対守護神の〝早期蘇生〟に、鷹の命運はかかっている。