中日が巨人・原辰徳監督(61)の緊急提言にNOを突き付けた。原監督はDH制の導入やFA制度での人的補償の撤廃またはプロテクト枠の拡大を求めているが「巨大戦力を持っているところが圧倒的に有利になる話」(球団幹部)と中日サイドはバッサリ。仮に制度改革案がセ・リーグ理事会に持ち込まれたとしても反対することになりそうだ。

 今回の原提言には「巨人に有利な考え」「星野監督だったら“巨人は自分のことばっかり”とすぐにかみついているよ」と中日OBや球団内部から異論反論が続出している。ある球団関係者は「(人的補償には)お金があるところだけが強くなるのを避ける狙いもある。巨人やソフトバンクといった選手層が厚いチームはプロテクト枠が28人だと困るかもしれないがドラゴンズは別に今のままで問題ない」と、FAでの人的補償の撤廃やプロテクト枠の拡大は必要ないと訴える。

 DH制についても同様だ。今季の中日は代打陣の迫力不足や、控え野手の低打率が問題となっていただけに「DH制が導入されてもあまりドラゴンズにはプラスにならないと思う」(中日OB)という声が圧倒的。戦力面で劣る中日にとってDH制の導入は不利に働きかねないだけに慎重になるのも当然といえるだろう。

「今季から一軍枠が29人になっているからプロテクト枠も28人から29人に広げることには異論はない」と加藤球団代表は言うものの、原監督がいくら熱く制度改革を訴えても中日は素直に賛同とはいかないようだ。