買い手ではなく、売り手――。首位争いに踏みとどまるホワイトソックスに、冷徹で現実的な査定が下された。米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は19日(日本時間同日)、レッズ、ナショナルズでGMを務めたジム・ボーデン氏によるトレード期限を前にした全30球団の「勢力図」を掲載した。
注目は30球団中10位に置かれたホワイトソックスだ。村上宗隆内野手(26)、コルソン・モンゴメリー内野手(24)、ミゲル・バルガス内野手(26)の打力を評価しながらも、米東部時間8月3日午後6時(同4日午前7時)のトレードデッドラインを前にした同氏の結論は「売り手」。チームは進歩しているものの勝率5割前後をうろつく現状と照らし合わせれば、長期的な再建路線を継続すべきとの見立てだった。
足元の数字も、微妙な立場を映す。ホワイトソックスは18日(日本時間19日)、敵地Tモバイル・パークでマリナーズに1―6で敗れた。直近9戦で2敗目とはいえ、24勝23敗で貯金は1に後退。ア・リーグ中地区首位ガーディアンズとの差は、2ゲームに広がった。好調ムードは残っているが、ワイルドカードを含めた争いで安全圏にいるわけではない。
ボーデン氏が、村上を名指しで放出候補に挙げたわけではない。それでも「売り手」判定の重みは小さくない。今季の村上は18日(日本時間19日)時点でMLB全体2位、ア・リーグ単独トップの17本塁打。32打点もMLB全体で10位タイ、ア・リーグでは2位タイを誇っている。37四球もMLB全体10位タイ、ア・リーグ4位。期待通りの長打力と出塁力を示し、低迷からの再建を進める球団に希望を与えてきた存在だ。だからこそ、期限前に他球団が市場価値を測りに来る可能性は否定できない。球団が将来資産の積み増しを優先すれば、日本の主砲も完全な聖域とは言い切れなくなる。
一方で、上位陣の動きは対照的だ。大谷翔平投手(31)、山本由伸投手(27)、佐々木朗希投手(24)を擁するドジャースは序盤に波がありながらも優勝候補として「買い手」路線。鈴木誠也外野手(31)、今永昇太投手(32)のカブスも先発補強に動く可能性が高い。岡本和真内野手(29)が加わったブルージェイズも故障者復帰を前提に、夏場の巻き返しを狙う側と見られている。
まだ5月とはいえ、期限前の分類は球団の本音を映す。村上がホワイトソックスの未来を背負うのか、それとも再建加速のための巨大な交換カードになり得るのか。快進撃の余韻が残るシカゴに、早くも夏の非情な値踏みが迫っている。












