第94回選抜高校野球大会第9日(28日)の準々決勝第4試合で、V候補の大阪桐蔭が好投手・米田を擁する市和歌山に大会最多タイの6本塁打、18安打の猛攻。17―0の圧勝劇でベスト4に進出した。5回に谷口と星子、6回には伊藤、代打・工藤、さらに打者一巡して伊藤の2打席連弾などで一挙8点。7回にも海老根の一発が飛び出し、快進撃を見せてきた市和歌山を力でねじ伏せた。

 ケタ違いの強打が目立った中、投手陣では2年生〝BIG4〟の一角と注目されている左腕・前田悠伍投手が甲子園初見参。大量援護を受け、6回を1安打無失点、12奪三振の快投で、前田は「投げやすく景色がよかった。いつも通りのピッチングができた。簡単に四球を出さず、バッテリーで流れを作っていくことがしっかりできた。投手全員の力を合わせて優勝まで導きたい」と頂点を見据えた。

 キレのある変化球と抜群の制球力で昨秋の大会でブレーク。一冬で進化を遂げ、西谷監督も「打者を見ながら堂々と投げていた」と高く評価した。ナインによれば、野球に対してマイペースで研究熱心なタイプだという。「スライダーの握りと曲がり幅を一人でずっと考えながら投げている。どう投げたらどう変化するとか、テーマを持って練習に取り組んでいる。真面目で向上心が強い」。中学時代は滋賀のボーイズリーグ「湖北ボーイズ」に所属。OBである巨人・横川を尊敬し、今も背中を追いかけているという。

 クールで一人の時間を大切にし「寮でみんなが集まっていても部屋で音楽をイヤホンで聴いている。今はSaucy Dogが気に入っているみたいですよ」。〝世代最強投手〟の呼び声高い前田が、今春に大きくジャンプアップする。