「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」で今月2日に66歳で急逝した日本ハムスカウト、今成泰章氏の告別式が7日に埼玉・富士見市の「しののめの里」で営まれた。

 式には約100人が参列し日本ハム・新庄剛志監督(50)からは感謝の思いを直筆でしたためた背番号1のユニホームが、パドレス・ダルビッシュ、エンゼルス・大谷からは献花が届けられた。

 式に参列していた一人が日本ハムの山田正雄スカウト顧問(77)。今成氏とは日本ハムのスカウト、編成部門で本音をぶつけ合い、山田氏が2007年~14年のGM在任中は大谷をはじめ多くの逸材を獲得し3度のリーグ優勝も果たした。

 山田顧問は「最後に会ったのはスカウト陣がキャンプ視察を打ち上げた2月20日。名護から那覇空港までの車中、那覇から羽田までの機内でも一緒だった。体調が悪そうだとかいうこともなく普段通り。こんなことになるなんて思いもしなかった」と故人との最後を振り返った。

 山田顧問にとって今成スカウトは「何とか自分の担当地域の選手を獲ってほしいとアピールしてくるスカウトだった」という。

 スカウトには総じて「控え目に担当選手を推薦してくるタイプ」と「オーバーに売り込んでくるタイプ」がおり、今成氏は後者だったという。

 山田顧問は「あいつが好きなのはどちらかというと即戦力。1位、2位タイプが好きだった。時に4位、5位でも獲れそうな選手を上に上げてくる(笑い)。だから(スカウト)会議は面白かった。『そんなのあり得ないだろ』『本当に大丈夫なのか?』『バカヤロー』とかよく言い合いましたよ。それを見て回りのスカウトたちが笑っている。ある大学生投手の評価が当時(チームに)在籍していた外国人投手と比べて『あんなのよりずっといいですよ!』と言ってきたり、自分の担当以外の選手を割と低く言ってきたり。面白いスカウトでしたよ」と思い出話を語った。

 高校から即メジャー入りを希望していた花巻東・大谷を強行指名した2012年ドラフトでは、当初担当だった今成氏が担当を外され山田GM、大渕スカウトディレクター、栗山監督の〝臨戦体制〟にシフトした苦い記憶もある。

 山田顧問は「ああいう味のあるスカウトはもう出てこないよね」と寂しそうに故人を悼んでいた。