ドーピング違反問題に揺れるフィギュアスケート女子ロシア・オリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワ(15)にまさかの〝援軍〟だ。

 今日17日に女子フリーを迎えるが、ワリエワを巡ってはリンク外のドーピング問題が世界中を騒然とさせている。

 そうした中、針のむしろのワリエワを擁護する動きが。それもロシアではなく〝敵対〟するはずの米国からだ。

 米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターの心臓専門医兼運動科学者であるベンジャミン・レバイン氏の見解を掲載。検出されたトリメタジジンの効果を詳細に説明したうえで「私の意見では、トリメタジジンが彼女のパフォーマンスを改善する可能性はゼロだ」と断言した。

 また、米誌「ピープル」はニューヨーク大学ランゴーン心血管疾患予防センターの予防心臓専門医ショーン・ヘフロン博士の見解をこう報じた。「トリメタジジンの理論上の利点として、アスリートはより高い強度で、より長い期間トレーニングができるようになるかもしれない」と一定の効果を示した上で「ただ、ほとんどの人にとっては何のメリットもない。エリートアスリートの場合でも、トレーニング能力やパフォーマンスが上がるとしても1%くらいだろう」。その効果はほとんど意味がないという。

 しかも、ワリエワからL―カルニチンも同時に検出されたことで、トリメタジジンの効果がなくなると指摘。「トリメタジジンは狭心症の治療に通常使用される心臓薬であり、脂肪酸代謝を阻害して体の代謝をブドウ糖にシフトさせる。筋肉はエネルギー源としてブドウ糖を使用しており、運動をしている場合、有益な変化になる可能性がある。だが、L―カルニチンは脂肪酸代謝を助けるサプリメントだ。脂肪酸代謝を阻害するトリメタジジンと併用するのは逆の効果で互いに打ち消すことになってしまう」。つまりトリメタジジンとL―カルニチンの併用は運動機能の向上において何の効果もないというわけだ。

 さらに米科学メディア「ポピュラーサイエンス」」も、フロリダ大学の生理学者で運動効果を専門とするスコット・パワーズ氏のコメントとして「トリメタジジンを服用している心臓病の患者は歩行能力の改善が見られるが、他の研究では違いは見られない。正直なところ、なぜそれがスポーツなどの運動で何らかの助けになるのか私には理解できない」と報じた。

 米国の専門家から次々と上がった〝ドーピング効果なし〟の指摘。今後の騒動の行方に一石を投じることになりそうだ。