球界ナンバーワンの変則右腕となって、2023年のWBCへ――。今季13勝6敗で最多勝、勝率6割8分4厘で最高勝率と投手部門でリーグ2冠の阪神・青柳晃洋投手(28)が20日に契約交渉し、7000万円増の年俸1億2000万円でサインした。今夏には侍ジャパンの一員として東京五輪での金メダルにも貢献。今後は日本代表の「常連」を目指す覚悟だ。
2015年のドラフト5位入団。決してエリートではなかった青柳が、プロの世界で一流の仲間入りを果たした。7年目での大台超えに「僕は自信過剰なので、できると思っていました(笑)。周りが見たら『青柳が!?』っていう人は多いと思う」とユーモアを交え、達成感を口にした。
これまでの努力が開花した飛躍の1年だった。プロ初の2桁勝利で最多勝と最高勝率のリーグ2冠に輝き、防御率も同2位の2・48。今夏の東京五輪では、ぶっつけ本番ので日本代表に初選出されて金メダリストとなり「人生で代表に入ったことがなかったので、うれしかった。(五輪の経験は)口で言えるようなものではないので、経験した人しか分からないと思う」と振り返る。
新たな目標は新監督へとバトンタッチされた新生栗山ジャパン入りだ。契約交渉の席でも球団幹部から「次はWBCだなということで、タイガース代表として、また日本代表になれるように」と背中を押されたそうだ。自称クォータースローの横手の変則フォームから放たれるクセ球は唯一無二の存在で、再び日本代表入りする可能性は十分にある。
ただ、代表の〝常連〟となるには条件が付く。ある侍ジャパン関係者は「代表経験のない青柳の招集は、メンバー選考では結構(意見が)割れた部分でもあった」と切り出し、東京五輪前の舞台裏を明かす。
実は先発タイプの右腕で「第2先発」として、変則フォームで相手の目先を変えるリリーフでの起用も可能な〝変則投法枠〟は、春先まで2019年のプレミア12で2勝を挙げて優勝に貢献した高橋礼(ソフトバンク)でほぼ確定していたという。ところが同投手は春先から絶不調。5月以降に青柳の名前が浮上することになった。
しかし、投球は申し分なかったものの、投ゴロの際の一塁へのワンバウンド送球などフィールディングに難があったことから反対意見もあったという。今回は守備面での〝やらかし〟こそなかったが、23年に予定されているWBCに向けて不安を解消しておきたいところ。
前出の侍ジャパン関係者は「青柳は今やNPBの最多勝投手。日本で知らない人がいないぐらいの投手なわけだから、世界も『日本の青柳』を研究してくる」と言い、課題克服を〝宿題〟として課す。
過去の日本代表をさかのぼっても、使い勝手のある下手投げの投手は渡辺俊介、牧田和久、高橋礼と重宝されてきた。東京五輪では2試合に登板して防御率27・00と打ち込まれ「国際舞台での悔しさは、国際舞台でしか返せない。代表ではやり残したことがある」とリベンジを誓う青柳には、さらなる進化が求められている。(金額は推定)












