17年ぶりにWBC8強入りを決めた韓国で、準々決勝の〝切り札〟として急浮上しているのが柳賢振(リュ・ヒョンジン)投手(39・ハンファ)だ。韓国メディア「OSEN」は、14日(韓国時間)に米フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで行われる準々決勝でベテラン左腕が先発最有力候補になっていると報じ、クローズアップしている。

 相手は1次ラウンドD組1位。ドミニカ共和国でもベネズエラでも、並ぶのはメジャーの看板打者ばかりだ。韓国にとっては2009年第2回大会以来となる米国での決勝トーナメント。その初戦で、かつてメジャーを沸かせた元エースに再び大役が回ってくる可能性が高まっている。

 柳賢振は今大会、16年ぶりの代表復帰を果たし、8日の台湾戦(東京ドーム)に先発。3回3安打1失点、3奪三振と試合はつくったが、韓国は延長戦の末に競り負けた。

 その一方で、やはりメジャー通算78勝、防御率3・27という実績は別格だ。ドジャース、ブルージェイズ時代を通じ、ドミニカやベネズエラ系の強打者たちと何度も渡り合ってきた経験値は、短期決戦の一発勝負でこそ生きる。23年にトロントを離れて以降、メジャー級打線との実戦からは距離があったが、ここで再び〝本場仕様〟の配球術が問われることになる。

 韓国は9日のオーストラリア戦を終え、10日(日本時間11日)にチャーター機でマイアミへ到着。先発候補には郭彬(クァク・ビン)投手(26=斗山)、デーン・ダニング投手(31=ブレーブス)、高永表(コ・ヨンピョ)投手(35=KTウィズ)らも控えるが、前出のOSENは「最有力は柳賢振」とみている。相手候補のドミニカとベネズエラは、ともにD組を3連勝で駆け抜けた強力打線の持ち主。真正面から力勝負を挑めばのみ込まれる危険もあるだけに、韓国としては球威より経験、勢いより間合いに賭けたいところだ。

 韓国球界にとって柳賢振は、ただのベテランではない。低迷期を知り、メジャーで名を上げ、再び代表の舞台へ戻ってきた象徴的存在だ。敗退即終了のノックアウトラウンドで最後に託されるのがその左腕なら、これほど韓国らしい構図もない。3年ぶりのMLB打者との真剣勝負は、老練な元エースにとって〝最後の火花〟となるのか。日本でも気になる一戦になりそうだ。