ヤンキースの新星右腕キャメロン・シュリトラー投手(24)が、心ない誹謗中傷に苦しめられている。10月2日(日本時間同3日)に本拠地ニューヨークでレッドソックスとのワイルドカードシリーズ(WC)第3戦でレッドソックスを相手に8回5安打無失点、12奪三振無四球という圧巻の内容でポストシーズン新人記録を樹立。宿命のライバルチームを沈黙させたが、勝利の余韻の裏で待っていたのは〝地元ファン〟の冷たい罵声だった。

 マサチューセッツ州ウォルポール出身のシュリトラーは幼少期からレッドソックスファン。ボストン近郊で育ちながらも宿敵ヤンキースのユニホームを着て地元球団を敗退に追い込んだ構図が、レッドソックスファンの怒りに火をつけた。SNSでは本人のみならず家族まで中傷の対象とされ、眠れぬ日々に苛まれ続けているという。

 あまりのバッシングに耐えかね、沈黙を破ったシュリトラーはXで「ボストンを愛している。批判は受け入れるが、家族を攻撃するのは違う」と悲痛の叫びを訴えた。

「私はボストンとニューヨーク、両方の街を誇りに思う。ライバル関係は理解しているが、今の忠誠心はヤンキースにある」ともつづり、両都市への敬意を強調。これに対してレッドソックスファンの一部も悔いあらためるように同調し、「生まれもドラフトも選べない。彼はプロとして正しい」と擁護の声が広がり始めている。

 シュリトラーはレッドソックスとのWC第3戦の試合後に「彼ら(ボストンのファン)は一線を越えたが、むしろ闘志をかき立てられた」と語り、挑発を力に変えたことも明かしている。地元の英雄が「裏切り者」とののしられるなかでつかんだ無双の投球――。許されぬバッシングを糧に全力投球するシュリトラーの名は、宿命のライバル対決の象徴として刻まれることになりそうだ。