日本野球機構(NPB)と12球団の代表者による実行委員会が3日に都内で開かれ、オンラインカジノ問題について榊原定征コミッショナー(81)から再発防止が呼びかけられた。利用者の公表、処分に差が生まれている事態への対応などについての具体的な話はなかったとみられる。開幕まで1か月を切った中で〝ダブルスタンダード〟の対応に不公平感が強まり、イメージ低下も懸念されているのが現状だ。現場では開幕への悪影響を懸念し、事態の沈静化が強く望まれている。
先月末に示された基本方針や事態に新たな動きはなかった。委員会終了後、NPBの中村勝彦事務局長が報道対応。これまで8球団、15人の利用が判明する中「問題解決に向かう道筋を球界全体として取り組むように。選手や関係者に啓発の継続と、シーズンを通じて啓発を行っていただきたいという旨のお話が(コミッショナーから)ありました」と明かした。このようにコミッショナーが指示を出した以外、委員会内で具体的な内容が特に話し合われることはなく、また新たにオンラインカジノ利用を自主申告した者もいなかったという。
NPBは先月末、オンラインカジノ問題に関する対応を各球団に一任することを表明。2月21日に球界内で最初にオンラインカジノの利用が確認されて活動自粛となったオリックス・山岡泰輔投手(29)と、その後に自主申告で判明した非公表の「7球団14人」との対応の違いに不公平感が広がる中、この日の委員会で新たな対応などが本格的に協議されることはなかった。
迅速な対応によって実名公表と処分が下った選手がいるだけに、その結果として〝ダブルスタンダード〟の流れとなった点に疑問の声が上がるのは致し方ない。NPBは「すぐの罰則」ではなく「自己申告から司法判断を経ての罰則」というのが基本姿勢。社会問題化しているオンラインカジノ賭博への対応を迫られる現場の苦悩は想像に難くない。
山岡の発覚を受けて、自己申告を呼びかけてきたNPBは「選手に寄り添う」ことを基本軸に置いた。そうした背景を踏まえれば、今後「7球団14人」という情報以上に踏み込んだものが出てくる可能性は限りなく低そうだ。非難覚悟で〝ダブルスタンダード決着〟を自ら受け止めたのだろう。
この日の実行委員会で具体的な話し合いがなかったことからも察しがつくように、おそらく今後大きく対応に変化が生まれることはないとみられる。世間の厳しい意見にさらされても、袋小路の状態を受け入れるしかないというのが実情だ。
プロ野球開幕まで1か月を切り、現場がもっとも避けたいのはイメージの低下と長引く悪影響。本来注目されるべきはグラウンド内の真剣勝負だ。球界内からは「山岡選手は大変気の毒だが、全体としてはこのまま何とか早く沈静化してもらいたい」との声も上がっている。28日の開幕は刻一刻と迫っているだけに、現場の思いは切実だ。












