東京五輪に出場する日本選手団の壮行会が6日、オンライン形式で開催された。

 4度目の五輪出場となる体操の内村航平(32=ジョイカル)は過去大会とは違う異例の雰囲気について「ああいう式典をオンラインでやるっていうのは、ちょっと物足りない気がしますね」と率直な感想を漏らした。

 昨年11月の国際大会の際は「〝できない〟ではなく、〝どうやったらできるか?〟を考え、どうにかできるように考えを変えてほしい」とメッセージを送り、大きな反響を呼んだ。その言葉との対比で現在の心境を問われた内村は「昨年11月は今よりも状況が違うというか、ちょっと(コロナが)落ち着いていた時期だったと思うので、僕の中では『できなくはないんじゃないかな』と思って、そのまま自分の気持ちを素直に伝えた」と説明しつつ「そこから状況が二転三転し、本当にできるんだろうかって思いながら選考会をやりつつ、(五輪を)考える必要もないかな、と。一つひとつの目の前の試合をやることしか僕にはできることがない」と「無」の境地を明かした。

 一時は国民の7割が中止を求める状況となったが、ついに開幕間近となった。しかし、内村は「ああやって言ったことで開催してもらえたとは僕は思っていない。選手が何を言おうか世界は変わらない。選手はそれぞれができることを一人ひとりがやり、感動を届けることしかできないのかなと思いますね」と言葉を選びながら話した。

 過去2大会では個人総合金メダルを獲得。今回はケガの影響で個人総合と団体入りを断念し、種目別の鉄棒で3大会連続金メダルを狙う。