サッカー中国1部のスーパーリーグに加盟する全16クラブが選手への給料やボーナスの支払いが滞っていると、同国メディア「天津日報」が伝えている。

 2部貴州FCの選手が14か月の給与未払いに猛反発し、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」にクラブとの調整を求める文書を公開したことは中国でも大きな話題となっているが、同メディアは「貴州FCだけではなく、給料の未払いはもはや中国のサッカーにとってニュースではない」と深刻な状況にあると報じている。

 江蘇FCはすでに活動停止となり、河北FCは親会社の経営難が問題視される中、スポンサーの撤退が表面化。チーム開催の危機に直面し、広州FCもオーナー企業の倒産が危惧されている。そんな中「一部メディアはスーパーリーグの半数のクラブが選手への給与を延滞しているというが、楽観的な見積もりだ。正確な統計では賃金の遅延がないのは3、4クラブしかない」という。

 その上で、支払いが可能なクラブも給与削減などを実施した上でのもので、さらに「オプション契約(プレミア給や成果給)を停止しているところもある」と、実質的に健全な経営ができているクラブはないと伝えている。

 急激な地盤沈下の理由は、各クラブの過剰な投資が負担になったことに加えて昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響で各クラブの親会社の業績が低下したことにあるといわれる。また、カタールW杯アジア最終予選に進出した中国代表の強化を優先したためリーグを中断。各クラブの収入がなくなったことも要因で「給与の滞納は遅かれ早かれ起きた」と伝えている。

 同メディアは「崩壊の危機に瀕していることを知っておく必要がある。中国代表がW杯に出場できなかったことは最悪の結果ではない。リーグが崩壊することが最も憂慮すべきことになる」と締めくくっていた。