世界最大のプロレス団体・WWEのインターコンチネンタル王者・中邑真輔(41)がインタビューに応じ、激動の2021年を振り返った。〝本厄〟の中でもIC王座奪回を果たすなど存在感を発揮。6年目を迎える来年の目標には悲願の偉業達成を掲げた。


【中邑真輔インタビュー・前編】

 ――21年を振り返って

 中邑 大きな変化としては新型コロナウイルス禍において、ついにツアーが再開したんですよね、今年。ツアーが再開してからのスピード感は、ある意味コロナ禍のスケジュールに慣れていたのか、怒涛のように感じました…。コロナ禍でもWWEはウルトラCな方法で、バーチャルオーディエンスという方式で、無観客は無観客でも、NBA(米プロバスケットボールリーグ)などにならって、WWEのスタイルで視聴者をテレビ番組に参加させました。昨年の試合は、ほぼ同じ会場でバーチャルオーディエンスを導入した試合だったわけです。21年もレッスルマニア以外は7月まで耐えて、ついにテキサスのスマックダウン(7月16日)、マネー・イン・ザ・バンク(同18日)からフルキャパシティでの有観客試合が戻ってきたわけです。

 ――観客が戻ってきたのは大きな出来事だ

 中邑 そうですね。どこか観客がいなくても大丈夫だと思ってた部分もあるんですけど、やっぱりいるといないとではエネルギーが違います。リングから発するエネルギーの交換を、エンターテイナーとして表現者としてそれを求めてパフォーマンスをしているので。自分たちがやるべきことはやっぱりこういうことなんだなってことを、当たり前なんですけど再認識させられたかなって思いましたね。やせ我慢していた部分はあると思いますよ。

 ――コロナによっていろいろ考えさせられた

 中邑 プロレスの在り方というか、WWEはフロリダにおいてはエッセンシャルワーカーということで、ロックダウンしている最中でも活動許可されていて、一度たりとも収録を休むことはなかったわけですよ。それはやっぱりWWEだから成せる業だったというのはあると思いますね。

 ――印象に残っている試合は

 中邑 前半はセス(ロリンズ)とやったり(バロン)コービンとは王冠(を巡る抗争)ですよね。あと今年、リック・ブーグスが自分のエントランスについたのは、結構大きな変化だったんじゃないかな。NXTには何年かいたみたいなんですけど、たまたまギターがひけるってことで急きょ抜擢されて。

 ――インターコンチネンタル王座奪回も果たした

 中邑 そうですね。「キング」とのある意味2冠を達成したという意味では…今年本厄だったんですけど、厄年ながらなんとか活躍できたかなと思いますね。

 ――11月に放送されたトリビュート・トゥ・ザ・トゥループス(軍人への慰問公演)ではローマン・レインズとも対戦

 中邑 とりあえず、あとにつながる形での決着ではあったので、どうにか。ローマン・レインズに挑戦するガントレットマッチも勝っときながらウヤムヤにされたまま引き延ばされてるんで。いいタイミングで挑戦権が得られたらなって思いますね。

 ――22年の目標は

 中邑 やっぱり最高王座に絡みたいと思っています。ICを保持してますけど、ブーグスと組むことが多すぎて、シングルよりもタッグマッチが増えてる(苦笑)。そういえば、みんなコンビ組んでますね。ベテランと若手みたいな。NXTでもイケメン(二郎)とKUSHIDAみたいな。コンビを組ますことで若い才能を引き揚げつつ、共に番組の出演機会を増やす為でしょうか。とにかく自分はWWEに来たからにはあと1個、WWE世界王座さえ取れればグランドスラム達成できるので、そこをなんとか狙っていきたいなと思いますね。

 ――出場できなかったWM本戦への意欲もある

 中邑 そうですね。今年は急に流れの変わり方が激しかった部分もあるので。自分のパフォーマンスを維持しつつ、いつでも王座を取れるようにメンタル、フィジカル共にコンディションを整えておかないと。競争の激しい世界ですっていう話ですから。