【スターダム】中野たむ 数々の経験を武器にワンダー王座を狙う

2019年11月07日 16時30分

ポーズを決める中野たむ

【魅惑のリングを彩る女子ファイター】数々の苦難を糧に、女子プロレス「スターダム」の頂点を目指すレスラーが中野たむだ。キャリアのスタートはミュージカル女優だった。3歳のころからバレエを習っていた影響で「物心ついた時から舞台が日常で、表現をすることでいろんな人に希望を与えることが夢になっていました」と振り返る。

 しかし約2年で所属事務所から勧められてアイドルに転向。「苦しかった。アイドルって、人を引きつけて感動させられなきゃダメなんです。目に見えないことだから本当に難しくて。3年くらいでどうしようもなくなって卒業になりました」

 その時、心に引っかかったのが応援してくれるファンの存在だ。「結果も出せずに卒業して、さよならするのが申し訳なかった」と悩んでいた2016年、「アクトレスガールズ」を観戦したことがきっかけでプロレスと出合った。「安納サオリ選手と万喜なつみ選手のシングルを見たら、10分の間に笑いも悔しさも感動も幸せも詰まっていて。『これなら応援してくれた人に恩返しできるかもしれないし、夢もかなうかも』って思った」

 直後にアクトレスガールズに入門してレスラーの道を歩みだしたが、イバラの道は続いた。デビュー1年でフリーになり“邪道”大仁田厚に師事して電流爆破マッチを経験。17年11月にスターダムに入団するも「わがまま」「大仁田なんかと試合をするな」「スターダムから出ていけ」といった辛辣な声が届いた。「環境がどんどん変わるから、そういう声を気にする余裕がなくて。自分に自分が追いつかなかったんです」と苦笑いする。

 転機が訪れたのは今年6月。岩谷麻優、鹿島沙希とアーティスト王座を巻いたことだった。「初めてプロレスを楽しいと思えた。それから地に足がついた気がします。今は私が戦うことを活力にしているファンの方々がいることも実感できる」。次の目標はワンダー王座。紆余曲折を経て得た経験を武器に突っ走る。