ノア2月23日名古屋大会で藤田和之(51)とのV5戦に臨むGHCヘビー級王者・中嶋勝彦(33)が、野獣の全てを堪能する。

 仙台大会(16日)でマサ北宮を下した直後のリング上に姿を現したのは、まさかの藤田だった。次期挑戦者の盟友ケンドー・カシンは野獣の旧主戦場が次々と滅亡した歴史をひも解き「『藤田イコールノア』になることは非常に危険」と警鐘を鳴らすが、もちろん中嶋もベルトを渡すつもりはさらさらない。「面白いね。確かに船ごと壊されそうだ。野獣にかじは取れないでしょ」と迎撃に自信をのぞかせた。

 藤田とのシングル初対決へ中嶋は「キレイではないだろうね、多分。試合が。まあ初めての野獣藤田和之なんで、味わい尽くしたいなって思うよ」と不敵な笑みを浮かべたが、その言葉の裏にはある〝事件〟がある。

 今から17年以上も前の2004年10月、藤田は中嶋の師匠である佐々木健介と新日本プロレス両国大会で、IWGPヘビー級王座戦で対戦した。胴締めスリーパーホールドで健介を捕らえた藤田の両肩がマットについていたため、わずか2分29秒で3カウントが入るという不可解決着に会場は暴動寸前。北斗晶も怒りを爆発させプロレス史に残る後味の悪い結末となった。

 当時デビュー1年目の中嶋は健介のセコンドとしてその試合を見ていた。「最初はよくわからなくて、後になってからああ、そういうことかと。不完全燃焼だったよね。あの時の試合を見て引きずってるわけではないけど、俺がやったらどうなるのかっていうのは思う。ちゃんと野獣から3カウントを取りたいね」。師匠が堪能できなかった野獣との真っ向勝負へ腕をぶす中嶋が、外敵から至宝を守り抜く。