新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」17日東京・日本武道館大会のファイナルトーナメント準決勝で、Dブロック1位のIWGP・USヘビー級王者ウィル・オスプレイ(29)がCブロック1位の内藤哲也(40)を破り決勝戦(18日、日本武道館)に進出した。

 大舞台で実現した注目の初対決は、互いに譲らない意地の張り合いとなった。オスプレイは内藤の執ような首攻めに苦戦を強いられた。ならばとヒドゥンブレード(後頭部へのバックエルボー)からストームブレイカーを狙ったが、カウンターのデスティーノで切り返されてしまう。

 正調デスティーノを回避してチェルシーグリン(後頭部へのエルボー)を決めたオスプレイだったが、コリエンド式デスティーノを浴びて窮地に立たされる。それでも再度のデスティーノを阻止すると、正面からヒドゥンブレードを叩き込み再逆転。最後はストームブレイカーで激闘に終止符を打った。

 2016年大会のケニー・オメガ以来史上2人目となる外国人G1覇者に王手をかけた。決勝戦ではAブロック1位の前年度覇者オカダ・カズチカとの激突が決定。試合後のリング上でオスプレイは「ナイトー、ワンモア、オネガイシマス。ついにG1のファイナルに進出することができた。オカダには過去7戦して6回負けている。だが次の試合では絶対にオカダを倒してみせる。なぜならばいま俺は心の底から自分の強さを感じていて、自分自身が世界最強だと信じているからだ。俺が取るべきものはあと一つ、G1王者の座だ」と高らかに宣言した。

「いま俺は満身創痍だが、それでもこれ以上アクセルを踏める状態だ。この大会は俺のショーであり、明日は今日以上の試合を見せる。今の俺は新日本を率いているつもりでいる。俺を止められるものは誰もいない。これは千載一遇のチャンスなんだ」。ユナイテッド・エンパイアを率いる若き暴君が、いまだ手にしていない最後のビッグタイトル・G1を手に入れる。